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今年8/23にエイベックスからアイドル、作詞作曲家としてWデビューした響木アオ。このアーティストを担当するのは新卒2年目のプロデューサー川毛美津希だ。リアル・ユーザー視点を持つ彼女ならではの施策はもとより、通常であれば宣伝やA&Rなどの経験が必要な職責をいきなり新卒2年目の川毛が担当。レーベル事業本部内の「スペシャルプロジェクトユニット」略して「SPU」の存在価値にも注目。

三次元アイドル、アニメでは
成し得ないことへの可能性
新卒2年目の感性が見出した響木アオ

現在、エイベックス・エンタテインメントのレーベル事業本部内のスペシャルプロジェクトユニットで、響木アオを筆頭に、アジア・マーケットでのアーティストの創造などにも関わる川毛。響木アオをエイベックスでもっと大きく売りたい、その発端は彼女のリアル・ユーザーとしての視点だ。

「VTuberのシーンも、いろいろなキャラクター自体にも興味はあったんです。それが今年の3〜4月。家の近くで響木アオちゃんのライヴが開催されていたので観に行って。そこで熱狂しているファンの方を見て、『あ、これはもっと大きな展開ができるな』と感じました。加えて、アオちゃんは自分の思いを作詞作曲して歌っている、ある意味シンガーソングライターであることに魅力を感じたんです」

川毛自身、入社2年目に突入し、勉強や業務のサポートから一歩前進し、自分が何をやりたいのか模索していた時期とも重なり、メインの担当を持ちたいという気持ちとリンクしたという。そこで上司へ響木アオというアイドルの素晴らしさをプレゼン。

「会社としてEntertainment×Techに力を入れていることは知っていたので、そこをかなり推しました。でも一番は歌を聴いて欲しくて。当然、一見したところ二次元! みたいなイメージがあるので、電子の中で生きている自分自身のことを歌った『電子のシンフォニー』を聴いてもらったり、プレゼンには曲を使用しましたね。もちろん、三次元のリアルなアイドルさんができなかったことができる可能性や、今までアニメではできなかったことをできる可能性、『どっちもいいとこ取りできますよ』という側面も盛り込んで」

バッグボーンを成長戦略へのエネルギーに
360°ビジネスでバーチャルアイドルが
次元を超えていく

バーチャル・アイドルを担当することになった背景には、川毛自身の趣味の志向性と、学生時代からの将来のビジョンというバックボーンも影響している。

「エイベックスの志望動機には3つキーワードがあって。学生時代から音楽はアイドルしか聴いてないぐらい、アイドルオタクだったんです。なので仕事でもアイドルに関わりたくて。それに大学生時代に中国に留学していたのでアジアというのもキーワードとしてあったし、イベント制作も大学生で経験していたので、この3つがエイベックスだったら全部できるんじゃないかな? って浅はかな考えで乗り込んで来たんです(笑)」

浅はかと言いつつ、着実にそのビジョンを実現させつつあるのは、川毛の中にあるリアル・ユーザー=アイドルオタクの部分。

「皆さんがバーチャルに対して抵抗がなくなって来たことが、今のバーチャル・アイドルの人気につながっていると思います。オタクっていう言葉への抵抗がなくなったことも大きいのかな。アオちゃんのライヴにはまだ少ないですけど、女子人気を高めるための施策もして行きたいと思います」

加えて、彼女自身、ご当地アイドルの経験があったり、中国留学時に日本のカワイイ文化を広める際に現地で実感したことも、これからの響木アオの成長戦略に大いに役立ちそうな印象だ。

「ご当地アイドルが盛り上がっている時期だったので、自分でもやってみようと思ったんですね。もう一つは留学中の北京で日本のカワイイ文化を広めるということをやっていたんですが、海外の方にいきなりアイドルソングだけおすすめしても聴かないと思って、なんとかイベントを探して、出演して踊ってるところを見てもらって、日本のアイドルを好きになってもらったりすることが実際にあったんです。今思うとあのパワーがどこから来たのか不思議です(笑)」

生身のアーティストに対する意欲と同質のエネルギーで響木アオをプロデュースする川毛。そこにはスペシャルプロジェクトユニット(SPU)という部署の強みがある。

「横軸っていうのは一つキーワードかもしれないです。SPUはいろんな部署を横で見るっていう部署なので。例えば今、このアーティストが熱くなってるとか、ここでこんなことが困ってるというのが見られる。プロジェクトに応じて社内外問わず、メンバー構成されるのも部署の特徴かもしれません。エイベックスの360°ビジネスを他社さんにも有効に使って欲しいし、足し算じゃなく掛け算でいろんなものを作って行きたいし、社内だけじゃなく社外の方と一緒に新しいエイベックス・カルチャーを作ることも部署のミッションだと思います」

横軸という意味では、すでにたこやきレインボーへの楽曲提供や共演を実現。
現在は社内アーティスト同士のコラボレーションだが、今後、社外とのコラボの可能性もあるだろう。

「むしろアオちゃんに360°のメリットを使って欲しいです。今、力を入れている“AOturing(アオチャリング)”は、響木アオ featuring リアル・アイドルっていう企画で、どんどんやって行きたい。それはバーチャルの世界側にいたらあまりできなかったことなので、どんどん三次元の世界に引っ張って行きたいし、いい意味で次元超えしながら、世界同時ライブなど、バーチャルならではの利点も活かしていきたいです。」

アジア・マーケットも視野に冒険を続ける
リアル・ユーザー目線が生み出す
エンタメの新たな可能性

アジア・マーケットに関しても留学時代の肌感覚を生かして、中国でのアーティスト育成も視野に入れているという彼女。

「今、中国はアイドルブームで、いわゆる日本っぽいアイドルと韓国っぽいアイドルに分かれるんですが、日本っぽいアイドルはJ-POP風の楽曲を求めていると思うので、ぜひそこに作家としての響木アオも参入したいですね。プレゼンしに行きたいです。今はネットがあればどの国の曲も聴けるんで、海外アーティストに楽曲提供したいですね。夢が増えました(笑)。中国でいうと、もうひとつ力を注いでいることがあって、今アジアをマーケットにする新規プロジェクトにも参加しています。学生時代の経験を活かしながら、エイベックスのアジア進出への力になりたいと思っています」

屈託なく夢を語っているようで、リアル・ユーザー目線の少し先というところが、川毛のアイデアが現実にバズを引き起こしそうな所以だ。

「最近、上司に言われたのは、『入社2年目っていうだけで武器なんだよ』と。ユーザーに一番近い目線、例えば私、響木アオのファン層のど真ん中なんですよ。自分が感じたことがそのまま本当のことになる、だからそれは生かして行きなさいとアドバイスをもらったところです」

音楽を聴かないユーザーにも、音楽と関係ないものを掛け合わせてその人の日常にどれだけ潜りこめるか? を日々試行錯誤しながら仕事しているという彼女。

「RPGの勇者みたいな気持ちで働いてます!」

それはまさにタグラインである「Really! Mad+Pure」そのものではないだろうか。

「アオちゃんでやってみたいことの一つに握手会があるんですけど、想像できないからこそやりたいんですよね。みなさんに『マジで?』って思ってもらえることをやりたい」

「あ、それにこのタグラインが発表されたのって一昨年の12月ですよね。私は内定者研修で聞いたので、当たり前っちゃ当たり前なんですけど、同期なんですよ、この言葉と(笑)。だから何考えるにも結構、頭の中にありますね」

エイベックスの360°ビジネスとバーチャル・アイドル、そしてリアル・ユーザー目線を持つ若手社員の組み合わせから生まれる、リアルな次世代エンタテインメント。一見無謀な計画も、テクノロジーと「今の世界にないもの」を想像する次世代の思考によって実現する日は近いのではないだろうか。

エイベックス・エンタテインメント株式会社
レーベル事業本部
スペシャルプロジェクトユニット
川毛 美津希

こんな内容

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