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サステナビリティーレポート2017トピックス

新社屋について

新社屋の環境配慮やBCP対策について

株式会社大林組 設計本部 プロジェクト設計部 

課長 松岡 兼司 様

2017年12月1日にエイベックス新社屋がグランドオープンしました。このビルの設計・施工を行った大林組の松岡様に、新社屋のデザインや環境配慮、BCP対策など特徴について話を聞きました。

青山のエイベックスらしさを追求

2013年秋、エイベックス様からのビルの老朽化に伴う建て直しの計画が公表され、設計依頼を受けました。2014年1月から具体的なプロジェクトがスタートしました。環境配慮や耐震性はもちろんのこと、社員の方々が働きやすく、青山にあるエイベックスらしい建物にしたいとご要望をいただきました。毎週、総務グループの方と中心に打ち合わせを行い、設計だけで約1年半間かけて検討しました。建物のデザインコンセプトは「Speed ×Eternity」、常に未来を指向する総合エンタテインメント企業のエイベックスの企業姿勢を言葉にしました。色々な要素をそぎ落とし、建物の全体的な骨格を「水平性と垂直性」を軸にデザインしました。外観は、高さ100m超という建物の存在感、垂直性を強調したスレンダーフォルムによって「Speed」を表現、大庇の水平性により企業の安定感、「Eternity」を表現しました。シンプルな大きな構成により、先進的で飽きのこない、エイベックスらしさが表現できたのではないかと思います。

またエイベックスらしい働き方ということで、フレキシビリティを考慮して設計しています。階高は通常より高い4.4m、ダンススタジオなどオフィス用途ではない機能にも対応可能です。また、オフィスの天井高も通常より高い3mとし、エンタテインメント情報を発信するエイベックスさんにふさわしい空間になっています。

最先端の環境配慮技術を採用

エイベックス新社屋には、環境負荷やランニングコスト低減のための様々な最先端の技術を採用しています。まず日射負荷の大きい南側は窓を小さくして、室温の上昇を防いでいます。東西面は床から天井までガラス張りにしていますが、太陽の光だけを透過して熱は遮蔽する特徴があるLow-E複層ガラスを採用しています。このガラスは特殊な金属膜がコーティングされており、熱の移動を空気層で防ぐことで、空調効率を高めています。さらに窓廻りにはエリアバリアファンを設置し、熱くなった空気を下から押し上げ、天井裏にある高顕熱効率型室外機と結ぶことにより省エネの性能向上を実現しています。

新社屋について

省エネ化を図った窓廻り

高い耐震性能とデュアル発電システムによって、
「止まらないエイベックス」を実現

新社屋について

BCPイメージ図

新社屋について

高さ100mを超える新社屋ですが、BCP(事業継続計画)対策は万全です。新社屋では地震の揺れを吸収する制震構造を採用し、オイルダンパーとブレーキダンパーという衝撃や振動を和らげる装置を各階に設置しています。ブレーキダンパーは大林組の独自技術で、走行中の車がブレーキをかけるように、ステンレス板と摩擦板(ブレーキ材)の間で摩擦力が発生し、揺れのエネルギーを吸収する制震システムです。高品質・低コストを実現したシステムで、オイルダンパーと併用することでコストを抑え、小スペース化することができます。

もうひとつ大きな特徴として、非常用発電設備は、オイルとガスによるデュアル発電システムを採用しています。地下設備室には、オイルを使った非常用発電設備を設置し、約72時間分の電力の確保が可能になっています。さらに、耐震性の優れた中圧ガスが埋設された青山通りから、ガス配管を直接ビルに引き込んでいます。通常のガス配管では、大きな地震で破断してしまうので、ガスの供給が止まってしまいますが、中圧ガスは破断されず供給されます。このガスを利用して発電を継続します。 また、電気室を最上階の18階に設置することで水害のリスクを回避し、常に電力供給が可能になっています。こうした様々な技術と工夫によって、「止まらないエイベックス」を実現しています。

さらに72時間滞在する上では、トイレの問題があります。下水管が破裂してしまうと、トイレが使用不可能になり、衛生面にも問題が生じます。当該ビルの地下には、雨水貯留槽、雑用水槽、冷却塔補給水槽、災害時汚水槽からなる貯水槽群があり、ろ過装置も設置していますので、雨水をトイレの水や雑用水に利用することが可能です。

新社屋について

地域の発展に貢献する良質な都市空間を創造

「aoyama chrismas circus by avex」というクリスマスイベントがありますが、名前に「青山」を入れるなど「エイベックスさんは地域に密着する意識が高い」と感じています。多くの建物が通りにせり出して建ち並んでいる青山通りで、エイベックスの新社屋は、青山通りとビルの間に広大なオープンスペースを設置しています。オープンスペースには、移動式のベンチやテーブルを配置し、若者を中心にいつも人が集まり、賑わいがあり創造性が溢れる場所となることを期待します。町内会や商店会の祭事だけでなく、ハロウィンのような青山に根付こうとするイベントなど、地域の活性化のために積極的に場所を提供していくと伺っています。お昼時には、キッチンカーが出店されており、そうした賑わいを創出しています。

新社屋について

松岡 兼司 様

新社屋について

また、所轄の赤坂消防署との連携もすばらしい取り組みです。ビルの解体・工事中には、普段消防士の方が訓練できない防火扉などを破壊して進入する訓練に古いビルを提供したり、工事中の仮囲いを利用した防火ポスターを掲出したり、エイベックスが地元を大切にしていることを感じました。

さらに、社員の方だけでなく、南青山周辺住民の方々も利用することができる事業所内保育所を開設しています。地域や社会にも貢献しているエイベックス新社屋の設計・施工に携われたことを誇りに思っています。

新社屋について