6月20日、認定NPO法人カタリバを利用する子どもたちを対象に、オンライン版「avex class」を開催。音楽インフルエンサー・財部亮治が講師として登壇し、小学5年生~高校3年生10人に向け、キャリア教育の授業を行いました。
今回の授業は、サステナビリティ推進ユニットに所属する学生メンバーたちの熱い想いから生まれました。好きなことを仕事にするアーティストと様々な事情で学びの機会が少なかったり、居場所を探している子どもたちが出会うことで、一人ひとりが“自分の好き”と向き合う時間を持てるように──そんな願いが込められています。
講師を務めた財部は、muchoo所属のシンガーソングライターで、SNS総フォロワー数130万人を越える音楽インフルエンサーとしても活躍。幼少期から音楽に触れ、学生時代はアコースティックギターやバンドに熱中。大学卒業後はウェディング業界に就職するも、音楽への夢を諦めきれずに一念発起し、YouTubeでの音楽活動を開始したという経歴を持っています。
そんな財部は、まず学生時代を振り返り「昔からお調子もので、文化祭などのイベントが大好きだった。とにかく自分が楽しいことばかりを突き詰めていた」「アコースティックギターを弾いていたり、バンドを組んだりして、常に大好きな音楽が傍にいた学生時代だった」と話しました。
さらに、大学4年生の進路選択の際「音楽は趣味程度で続けていたので、進路を決めるときに、自分が本当に好きなものはなにかをすごく考えた。文化祭やイベントが好きという想いから、なにかを作り上げる仕事を探した時に、ウェディングプランナーという仕事にたどり着いた」と、自分の好きなことと向き合って仕事を選んだ経験を具体的に話しました。
音楽活動を始めた経緯については、大好きなマイケルジャクソンから受けた影響や、海外のYouTuberとの出会いがきっかけだったと語り、「密かに抱いていた音楽への夢をあきらめきれずに、ウェディングプランナーの仕事を辞めて、ライヴハウスでの音楽活動を始めた。もっと多くの人に届けたいという想いから、当時日本では今ほど知名度がなかったYouTubeに動画を投稿し始めた」と振り返りました。
その後、Youtubeで多くのチャンネル登録者数を獲得し、最近ではフジテレビで放送された「オールスター合唱バトル」に「ミリオン再生合唱団」として出場。2度の優勝を果たした経験について「テレビという大きな舞台で、YouTuberやTikTokerの存在価値を証明したかった。2度の優勝は、世間からの見方が変わった瞬間だったと思う」と話しました。「今後の夢は、自分の音楽や想いに共感してくれる人が集まって楽しめるようなYouTube文化祭を開催したい!」と、言葉を弾ませながら語り、夢に向かって走り続ける楽しさを身をもって体現していました。
後半は質問コーナーへ。チャットを使用しての質疑応答となりましたが、チャット欄は大盛り上がり。参加した子どもたちからは「新たな夢に向かって行動する原動力は?」「どのように夢を見つけるのか?」などの質問が寄せられ、財部は「好きこそ物の上手なれ。好きなものを見つけるのは難しい。好きと思っていても嫌いになることもある。でも、何かを継続することで好きが見つかることもある。沢山経験を積むことが大事だと思う」と、自分の好きなことと向き合ってきた財部らしいアドバイスを送り、授業を締めくくりました。
参加した子どもたちからは「自分も好きを見つけるために頑張ろうと思った」「まず行動してみるという姿勢に背中を押された」といった感想が寄せられ、実り多い授業となりました。
今回、オンライン版「avex class」を企画・主催したサステナビリティ推進ユニットの学生メンバー3名に、当日の感想を聞きました。
【学生メンバーのコメント】
前年度に構想した企画を形にすることを目標に、参加させていただきました。企画の実施にあたり特に意識していたのは、「様々なバックグラウンドを持つ子どもたちに、未来に希望を持ってもらえる時間にしたい」ということです。今、子どもたちの居場所が失われつつあり、それに伴い自己肯定感が下がってしまうことが社会的な課題になっています。だからこそ、avex classが「“自分の好き”を大切にしていいんだ」「夢はこうあるべき、という決まりはないんだ」と思えるきっかけになればと考え、準備を進めてきました。当日、子どもたちから多くの質問やコメントが寄せられ、その想いがしっかりと伝わったのではないかと感じています。私自身も、年齢を重ねるにつれて夢を現実的に小さくまとめてしまっていたことに気づき「もっと自由に、もっと大胆に描いてもいいんだ」と背中を押されたような気がします。(木下)
これまでは「1を10にする」部分に携わってきましたが、今回は初めて「0を1にする」、ゼロから形を創り上げるプロセスを経験しました。何もないところから、どうやって企画を実現させるのか。試行錯誤の連続でしたが、一つのイベントを作り上げることの難しさ、そしてその先にある達成感と本当の楽しさを心から実感することができました。イベント当日、財部さんは、温かく寄り添う言葉と、力強いメッセージを子どもたちに届けてくださいました。その姿はまさに、真のエンターテイナーであり、心から人を想う優しさにあふれていました。財部さんの言葉は、きっと子どもたちの未来を照らし、彼らの心に希望を灯したと思います。そして、エンタテインメントは、与える側も受け取る側も、互いに笑顔と感動を分かち合える素晴らしいものだと、改めて強く感じました。(四宮)
今回の企画を通じて、事前の準備の重要性を改めて実感しました。画面越しでも子どもたちに想いが届くように、内容の構成や進行のテンポ、言葉選びまで細かく考え、全員で入念に準備を重ねてきました。当日は、チャットで積極的に質問をしてくれたり、画面越しでもリアクションを返してくれたりと、子どもたちの前向きな反応に触れて、とても嬉しくなりました。そして何より印象的だったのが、財部さんの優しさと親しみやすさです。ユーモアを交えながら語りかける姿に、人柄の温もりが感じられ、オンラインでもその想いがしっかり伝わっていることを実感しました。エンタテインメントの力で、画面越しでも子どもたちの心に何かを届けることができる。そんな可能性を信じたくなる、かけがえのない時間となりました。(松本)
【開催概要】
・正式名称:「avex class」(読み:エイベックス クラス)
・日時:2025年6月20日(金) 16:30~17:30
・場所:認定NPO法人カタリバ内オンラインツール
・登壇者:財部亮治
・参加人数:10人(小学5年生~高校3年生)