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【FAKYインタビュー#2】根底にあるのは双方向的なリスペクト。 チームFAKYが作り出すニュースタンダード 【FAKYインタビュー#2】根底にあるのは双方向的なリスペクト。 チームFAKYが作り出すニュースタンダード

ハイライト

ONOFF

Lil' Fang、Mikako、Akina、Hina、Taki の5人からなるガールズ・ユニオン、FAKY。今回は、FAKYを前後編にわたってフィーチャー。前回はFAKYというグループが持つアーティストとしての理念と、2度のメンバーチェンジの中で試みたアプローチ、メンバーの個性が秘める可能性について話を聞いた。今回もA&Rディレクターを務める藤澤友美と新卒2年目で入社以来FAKYのプランナーを務める門馬理紗、そしてメンバー5人とのセッション方式で、FAKYのビジョンと描く将来に向けたステップについて紐解いていく。

【FAKYインタビュー#2】根底にあるのは双方向的なリスペクト。 チームFAKYが作り出すニュースタンダード

「どんな逆境があっても
楽しもうって思ってないと
止まっちゃう」

【FAKYインタビュー#2】根底にあるのは双方向的なリスペクト。 チームFAKYが作り出すニュースタンダード

デビューから約8年。これまで2度のメンバー変成を経験し、節目ごとにアプローチを刷新してきたFAKYだが、こと現体制となってからのおよそ2年間は「個」のポテンシャルによりフォーカスすることで飛躍的に認知を広げ、アーティストとしての成熟度を高めてきた。

たとえばLil' Fangは、近年FAKYの楽曲で作詞を手がける他、ヒップホップに特化したラジオ局WREPでの番組メインパーソナリティアーティストや司会業を務めている。Akinaは、藤井風やiriの楽曲を手掛けるYaffleをサウンドプロデュースに迎え、11月リリースのシングル「Touch」でソロデビューを果たした。Takiは、個人のYouTubeチャンネルでダンス動画「Taki Dance」を配信中だ。カルチャーへの造詣の深さやストイックさに裏打ちされたテクニックは、パフォーマンスに説得力をもたせると同時に他アーティストからの信頼も引き寄せている。一方で、Mikakoはファッショニスタとして多数のメディアに登場するだけでなく、ブランドのスタイリングやプロデュースも担当。Hinaは話題のリアリティショーやドラマ、モデルとして雑誌・広告等への出演を重ね、It Girlとして音楽リスナー以外からの注目度も日増しに高まっている。

そうした、それぞれが得意とするフィールドで磨き上げる絶対的な個性は、FAKYとしての活動にも能動的な変化をもたらしてきた。変わるのではなく、変えていく。そして、そのプロセスを楽しむことこそが、チーム全体のフィロソフィーでもあると藤澤はいう。

藤澤 「常に変化していかないと面白くないと思っていて、みんなでFAKYを作っているという気持ちが強いし、どんな逆境があっても楽しもうって思ってないと止まっちゃう。プロセスを楽しむっていうのは、私にとっても大切なキーワードで、もっと彼女たちが、そして周りのスタッフが輝けるように自分も変わらなくちゃいけないところもあると思っています」

「代弁者であり、
誰かの鏡でありたい」

もちろん、変化のタイミングは外からもやってくる。コロナ禍の到来によりエンタテインメントの在り方が見つめ直されることとなった2020年。FAKYも例外なく影響を受け、5月に予定されていた現体制で初となるワンマンライヴは中止となってしまった。従来のペースで活動することが難しいなか、FAKYとして今なにができるか。その答えとして彼女たちが提示したのが、<FAKYWORLD>での動画配信スタートと、メンバー発案のハッシュタグ<#WeAreAllHereTogether>だった。

この「つながり」を強く意識したアクションと逆境にあってこそ前進しようとする姿勢は多くの人を励まし、結果として「等身大のロールモデル」という位置付けをFAKYにもたらした。と同時に、メンバーにとっては表現者としてどう在りたいのか改めて自己を見つめなおす機会になったという。

Lil' Fang 「人前に立ってわざわざ表現することになんの答えがあるのかって、ずっと考えてはいて。私個人として今のところしっくりくるのは、代弁者であり、誰かの鏡でありたいということ。私たち5人を見て『がんばろう』とか、逆に『この人みたいになっちゃダメだ』とか。美しいものばかりではなく、マイナスな部分ですら自分にリンクして考えられるくらいの存在になりたいです」

「私たちを
信頼してくれているんだなと
何回も感じる瞬間があった」

前述した一連のアクションも含め、柔軟かつ積極的な活動を実現するために絶対的に欠かせない要素。それは、メンバーとスタッフの結束力だ。前編でも語られたとおり、FAKYチームの根底にあるのは、双方向的で交わされる絶対的なリスペクト。それぞれのバックグラウンドが異なるという特性も踏まえ、メンバー間でもとりわけコミュニケーションは大切にされている。では、今後について5人はどんなビジョンを共有しているのだろうか。

Akina「歌・ダンス・ファッションにおいて、アイコン的な存在になりたいと思います。その集合体であるライヴを『本当にやばいよね!』って言ってもらえるようになりたい」

【FAKYインタビュー#2】根底にあるのは双方向的なリスペクト。 チームFAKYが作り出すニュースタンダード

Taki 「うん。J-POPといえばFAKYとすぐにイメージされるような存在になりたい」

【FAKYインタビュー#2】根底にあるのは双方向的なリスペクト。 チームFAKYが作り出すニュースタンダード

Mikako 「Takiとつなげて言うなら、世の中の誰もがメンバーの名前を言えるくらい一人一人が際立っている存在になりたいです。あとひとつ、ここまで私がFAKYを続けられているのも幸せなことだし、やるからには歳を重ねても、この5人で歩み続けたい。そのくらいみんなで今のFAKYを作れているのが嬉しいから」

【FAKYインタビュー#2】根底にあるのは双方向的なリスペクト。 チームFAKYが作り出すニュースタンダード

Lil' Fang「私とMikakoはFAKYを8年やっていて、その間にメンバーチェンジが2度もあって。それでもずっとFAKYを残そうとしてくださったスタッフのみなさんがいてくれて。私たちはそこもすごく感謝しているんですけど、それよりも私たちを信頼してくれているんだなと何回も感じる瞬間があったので。こういうふうに好きなことをやらせていただけることって他になかなかないことだと思うので、そこだけは自信を持って続けていきたいです」

【FAKYインタビュー#2】根底にあるのは双方向的なリスペクト。 チームFAKYが作り出すニュースタンダード

Hina 「私もこの会社の同じグループを経験していて、今こうしてFAKYで活動できていることはすごく幸せなことだし、Mikakoが言ってくれたみたいにこのメンバーとこのスタッフさんとがんばっていきたいという気持ちがあります。今って誰でも人気者になれる時代にはなってきているけれど、プロフェッショナルが集まることでしか生まれない作品も絶対にあると思うので。私たちはプロであり続けたいなって思います」

【FAKYインタビュー#2】根底にあるのは双方向的なリスペクト。 チームFAKYが作り出すニュースタンダード

「確実に足場を
固めていった人のほうが、
爆発力は強い」

そうしたメンバーのビジョンを踏まえて、スタッフサイドは現実的に今どこを見ているのか。藤澤は「FAKYは世界に通用するグループである」と前提したうえで、直近の必須課題のひとつとして、日本国内での連続的なサブスクチャートインを挙げている。

藤澤 「世界に向けて発信していきたいという思いは、もちろん変わらずあります。だけど、まずは体力をつけなきゃいけない。そのために今は日本のマーケットにも、アプローチしなきゃいけないと思っていますし、そこで注目していただくためには何をすればいいのか。どうすれば、話題性が描けるのかというのを常にみんなで考えています。その結論のひとつが、カタカナの『ダーリン』なんです。実際『ダーリン(Prod. GeG)」はサブスクライクな曲だったので、音の再生回数は歴代の楽曲の中でダントツの1位でした。だけど、MV視聴数は今までとさほど変わらなかった。そこを数字だけで分析すると、そのとおりの話になるんです。だから、あんまりそこに左右されない。『リスナーの方々が今回は映像よりも、音に寄ったんだ』っていうことが多少なりともわかれば、また違う見解が起きると思うんです。数字はもちろん大事なことですが、あまりそこばかり意識しすぎると、それはそれで冒険もできなくなくなってしまうので。だったら次の『little more』は、ダンスにフォーカスを当てた映像を作ってみようと。あとは世間の方が決めることなので、蓋を開けてみないとわからない。その繰り返しです。確実に足場を固めていった人のほうが爆発力は強いと思うので。FAKYは一個一個積み重ねて、その先で国内はもちろんのこと、国外の方にも聴いてもらえたらとは思っています」

【FAKYインタビュー#2】根底にあるのは双方向的なリスペクト。 チームFAKYが作り出すニュースタンダード

「FAKYのみんなが
喜ぶ顔を見たい
というのが先かもしれない」

一方、門馬はそう遠くない将来として2つのイメージを描いている。そのうちのひとつとして、ずっと心に留めていること。それは、入社時からの夢とLil' Fangと交わしたある約束だという。

門馬「これはスタッフ間でよく言っているキーワードなんですけど、ひとつはFAKYアベンジャーズ化計画(笑)。それこそMikakoさんが言っていたように、FAKYと聞いて世の中の誰もがメンバーの名前を言えるくらいになってほしいと思っています。あらゆる分野で活躍する5人が一気にぎゅっとなったときにFAKYは、一度で5度楽しめるとアーティストなので。もうひとつは、自分がエイベックスに入ったからには担当しているアーティストのアリーナ級のライヴをステージ袖から観たいという夢があって。それをメンバーの前で語ったら、Lil'さんが『アリーナ、連れて行くよ』って」

Lil' Fang 「ファンのみなさんに恩返ししたいという気持ちもあるんですけど、まず本当に一緒に戦ってくださっているスタッフさんに恩返ししたいっていうのはメンバー全員が強く思っていることなので。それこそ8年間も活動を続けさせてくれているエイベックスにも絶対に目に見えるかたちで恩返ししたい。今はそこを見て走っているところです」

藤澤 「私は、仮にFAKYのアリーナが決まった時に、ファンの方ももちろんですが、FAKYのみんなが喜ぶ顔を見たいというのが先かもしれない。ファンの方に対して『FAKYをいつも応援してくれてありがとう』という気持ちは大前提としてあるんですけど、一番はメンバーとこれまでFAKYを支えてくれた多くの方々です。アーティストがこう、ガッ! といくタイミングって言葉に出来ないけど感覚値としてあるんですけど、その感覚値みたいなものを最近感じているので、今後がすごく楽しみだし、だからこそ今ここでがんばらなきゃいけないなって思っています」

インタビューの終わり、「FAKYとしてのゴールとは?」という質問を「最初からゴールなんて決めて走ります?」と軽く一蹴した藤澤。その一言に、メンバーへの信頼と尊敬、そしてFAKYが到達する新たなフェーズへの確信めいたものを感じた。フェイクもリアルもすべて巻き込んで、新しいスタンダードを作っていく――。世界中がFAKYに振り向くタイミングまで、案外もう少しなのかもしれない。もっとも、そのころ彼女たちはすでに次の扉の先で走り出しているのだろう。

【FAKYインタビュー#2】根底にあるのは双方向的なリスペクト。 チームFAKYが作り出すニュースタンダード

(写真左から)
Lil’ Fang / Akina / Mikako / Hina / Taki

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FAKY Official WebSite
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