※記事に登場するマネージャーの氏名は、個人情報の保護およびネットリテラシーへの配慮から、イニシャルで表記しております。
2025年度後期のNHK連続テレビ小説「ばけばけ」。明治時代に生きた文学者小泉八雲の妻・小泉セツをモデルにしたヒロインの座を見事に射止め、今大きな注目を集めているのが、俳優・髙石あかりだ。
そしてその活躍の影にはもちろん、彼女を支えるチームの存在がある。今回は、髙石と彼女を支えるエイベックス・マネジメント・エージェンシー株式会社マネージャーS、マネージャーRの両名に、髙石あかりのこれまでとこれからについて語ってもらった。
笑い混じりに語り合う三人の様子からは、彼女らを取り巻くポジティブな空気感が伝わってくる。

(写真左から)
エイベックス・マネジメント・エージェンシー株式会社 マネージャーS
髙石 あかり
エイベックス・マネジメント・エージェンシー株式会社 マネージャーR
ゴールがない。それが楽しい。
幼い頃からドラマに憧れ、「俳優になりたい」と語り続けてきた髙石あかり。11歳で芸能界入りし、舞台を中心にキャリアを重ねてきた。
マネージャーSが初めて彼女と出会ったのは2019年、髙石が17歳の頃。当時を振り返り、Sは髙石のことを「発光していた」と表現する。
人の話に耳を傾けるとき、何かに夢中になるとき、彼女の瞳は好奇心に満ち、まるで光を放っているようだった。
しかし本人はそのことに無自覚で、Sに叱られる場面でも「目がキラキラしている」と言われ、髙石自身不思議に感じていたという。
知らず知らずのうちに、新しいことを吸収しようとすると自然と輝くその瞳は、新しいことを学ぼうとする時に、無意識に現れていた。
Sは厳しくも愛のこもった言葉で髙石に接し、その度に彼女は「怒られる内容が自分のためになることだとわかっている」と理解し受け止め、吸収していった。

俳優としての活動の場を、舞台からドラマや映画などの映像作品へと移行した今もなお、作品を通じて常に何かを学び取ろうとする髙石の意欲は変わらない。
その原動力は、『芝居にはゴールがないこと』に楽しみを覚えたからだった。
それは「演じる役を深く知り続けること」と髙石は話す。
かつては自分の芝居にばかり目を向けていたが、役を通じてその人物像を理解し、更新し続ける。それが芝居の奥深さであり、彼女がこの仕事を愛し続ける理由になっている。
どこまで行っても満足せず、与えられた役への終わりなき探求こそが芝居の魅力であると感じている。

そう話す髙石の瞳は、Sがかつて「発光していた」と語ったあの頃と変わらず、静かにキラキラと輝いていた。
エイベックス全社を巻き込んで、夢を叶えていく。
髙石は自身の成長を冷静に捉えている。
かつては撮影現場に立っていても、『ふわふわした感覚』が抜けず、夢の中にいるような心地だった。だが、そのままではプロとして不十分。
18歳の頃、Sとの対話を重ねる中で『客観的な目線で自分自身の仕事を見る』『仕事と夢を分けて考える』意識が芽生えた。

対してSは、担当に就いた当初から『自分はビジネスパートナー』と線引きをしていた。
担当として俳優・髙石あかりを冷静に、時に厳しく見つめ続ける姿勢に対し、髙石は「友人のような距離感だったら、きっとうまくいかなかった」と振り返る。そこに漂うのは、深い感謝と『凄まじい愛』。その冷静さと愛情が絶妙な距離感を保ち、ふたりの関係性を特別なものにしている。
俳優は、ひとりで名前を背負い表に立つ仕事。決して代わりのきかない役割であるからこそ、マネージャーとして『プライベートと仕事とのオンとオフのスイッチを持たせる』ことを重視してきた。
心が折れそうなときも切り替えができるよう、あえて距離を保ちながら支え続ける。その姿勢はビジネスでは当たり前のことであると同時に、お互いに寄せ合う強い信頼感が垣間見えてくる。
『ふたりでひとり』という二人三脚の感覚で歩みを続けてきた二人。喜びも悲しみも同じ目線で共有してきたからこそ、髙石にとってSとの時間は『俳優としての自分を取り戻すためのスイッチ』となり、揺らぐ心を支える大きな柱となっている。
加えて、髙石の活動が幅広く展開できた背景には、『理にかなってさえいれば、どんなチャレンジでも背中を押す』というエイベックスの社風も大きな力となった。
マネージャー自身の裁量が大きく認められていることも、髙石が自由に夢を広げられる理由のひとつだ。
やりたいことがあれば、声に出す。そして周囲を巻き込む。その空気は、俳優個人やマネージャーにとどまらず、エイベックス全社へと広がっている。

日本中から広く知られる俳優に
そしていよいよ、NHK連続テレビ小説『ばけばけ』がスタートする。髙石はヒロインとして、小泉八雲の妻がモデルとなる主人公・松野トキを演じている。
「朝ドラのヒロイン」は長年の夢だった。
これまで二度のオーディションに挑んできたが、いずれも夢への興奮が勝ち、浮ついたままオーディション本番を迎えていた。
しかし三度目の挑戦となった今回は違った。
オーディション前日に「根拠はないけど、今回はいける気がする」というメッセージがSから届き、その言葉が髙石の胸に深く響き、肩の力が抜け、オーディション当日も落ち着いて自分を出し切ることができた。
当時のことを振り返り、Sは役と髙石の当時の俳優や人間そのものとしての位置に親和性を感じ、早くから「フィットする」と直感していたという。
その確信めいた思いから、オーディションの結果を待たずに翌年の新規の仕事を決めないという決断にも至った。
出演が決まり撮影が始まる前、誕生日プレゼントと共にスタッフからの寄せ書きが添えられた。心を打たれ、すでにチームと家族のような絆を感じ、「この人たちと一緒に仕事がしたい」「期待に応えられるような演技でしっかり返していきたい」と当時を振り返る。
そんな節目のタイミングで、マネージャーRがチームに参画。「一つひとつのことに生きがいを感じられる仕事がしたい」と語るRは、異業種から転職した経歴を持つ。
髙石チームのスタンスにすぐさま共鳴した。特に、関係者への感謝と尊敬を徹底する姿勢に強い印象を受けたという。
これまで二人が築き上げてきたチームに加わり三人体制となったこのチームは『関係者に対する感謝と尊敬の姿勢』を非常に大切にしているということが強く感じられる。
その姿勢は周囲にも確実に伝わり、今後さらに多くのファンに愛され、“髙石あかり”という存在がより多くの人々に認知されていくだろう。

二人は髙石にどんな期待を寄せているのかを訊いたところ、「枠にとらわれず、面白いものに挑戦し続ける俳優」であり続けることと答えた。
そのために作品選びも重要になる反面、作品の規模感に関わらず『これを髙石あかりに演じてほしい』と感じてもらえるなら積極的に挑戦すべきと考え、最終的には、『髙石あかりが出るなら観たい』と思われる存在を目指している。
髙石もその期待を真摯に受け止め、「まずマネジメント二人への感謝を忘れず、二人にずっと好きでいてもらえる俳優でありたい」と語る。
マネージャーという仕事は、担当する相手を“好き”でなければ続けられない。その思いがあるからこそ、「自分を応援したいと思ってもらえるように、俳優としても、人としても磨き続けたい」と決意を口にした。
エンタメに関わる仕事において、「愛」は最もピュアな原動力となるもの。周囲からさまざまな「愛」を集めて自身のちからに変え、一段また一段と俳優の高みへ歩みを進める髙石。
彼女の目は常にキラキラ輝き、それをマネジメントのふたりが厳しくも温かなまなざしで見つめている。家族以上に近いようで、ビジネスパートナーとして冷静な距離感もある不思議な関係。
これからも広く日本中に愛される俳優を目指していく。
