2025年7月、エイベックスの社員総会「xeva live 2025」(読み:ジーバ・ライヴ・ニ―ゼロニーゴー)が開催された。社員投票によって受賞者が決まる社員投票制度「Really! Mad+Pure Award」のほか、所属アーティストによるライヴパフォーマンスが盛り込まれるなど、例年のとおり、いわゆる社員総会では感じ得ない、エンタテインメント会社だから生み出せる熱狂と共に会は進行。参加した一人ひとりがその余熱を胸に日々の仕事へと戻った。
この座談会では、社員を代表して社員総会の企画・制作に参加していた5名の若手社員に集まってもらい、「xeva live 2025」を振り返りながら、改めて感じられたエイベックス社員としての思いや今後の意気込みについて語ってもらった。

(写真左から)
加藤 綾華 / 大澤 吏功 / 小澤 夏樹 / 佐野 可苗 / 髙橋 知里
レジェンドアーティストが
自社に寄せる想いを肌で感じる
今年度の社員総会で印象に残っていることは? と訊くと、やはり一同がまず口を揃えるのは、所属アーティストによる社員のためだけに贈られる特別なライヴパフォーマンスだ。

エイベックス・ミュージック・クリエイティヴ株式会社で、EXILEのA&R業務に従事している佐野可苗は印象に残ったパフォーマンスについて語る。
佐野「ステージに突然現れたDJ KOOが、映像とMCを織り交ぜたDJでエイベックスの歴史を振り返ったパフォーマンスが心に残ってます。DJ KOOがご自身の言葉で、会場にいる社員一人ひとりの奮闘を讃えて鼓舞してくれる、思いのこもったパフォーマンスでした」

同じく強く心を動かされたのが、エイベックス・アライアンス&パートナーズ株式会社で自社IPとクライアントとの連携企画やクリエイティヴ制作を手がける大澤吏功だ。
大澤「アーティストのステージを社員総会で見られて、改めて自分はエンタテインメント企業に居るんだなと実感しましたし、倖田來未のステージは本当に圧巻でした。第一声で会場が一瞬にして空気が変わって、それでいてMCは社員の気持ちに寄り添ってくれるようなトークで、ご自身のエイベックスに対する思いやエイベックスらしさとは何かということまで伝えてくれて、すごく元気をもらいましたね」

さらに、エイベックス・ピクチャーズ株式会社で映像コンテンツのパッケージ商品の販売店営業や販売促進を担当する小澤夏樹も、音楽と会場の熱気が生んだ一体感を語る。
小澤「新人アーティストのステージが見れたのも嬉しかったですし、個人的には毎年社員総会のどこかで必ず耳にする『EZ DO DANCE』は、もはや社歌だと思ってるので(笑)、今年は特にDJ KOO本人がDJでプレイしてくれてグッときました。倖田來未のライヴでの客席の盛り上がりを見ても、タグラインにもある通り、この会社の“Mad”さを感じます。堅苦しくやるのではなく、何事も楽しんで熱中して、“Pure”になって取り組むような姿勢から、新しく面白いものは生まれていくんだろうなと改めて感じました」
アーティストは遠い存在であるようで、実はエイベックス社員にとっては共に歩む“同志”でもある。そのことが強く伝わってくるステージだった。長く活躍してきたアーティストたちがエイベックスという会社に寄せる思いを受け取り、それに背中を押された社員も少なくないはずだ。
タレントと社員の
身近な距離と信頼関係

一方、毎年開催される社員表彰制度「Really! Mad+Pure Award」でも、若手社員たちがステージから受け取ったものはとても大きかった。最優秀個人賞にはマネージャーとして髙石あかり、上坂樹里と2期連続でNHK朝ドラのヒロインをエイベックスから輩出することに寄与した社員が選ばれた。

髙橋「私はアワードの担当でもあったので、受賞した先輩が受賞スピーチをされているときに、その後の登壇のためにタレントのお二人が舞台袖で待機しているのが見えたんです。先輩のスピーチに目を輝かせ耳を傾けているお二人の様子が本当に印象的で。タレントと社員との関係性がすごく魅力的だなと感じました」
小澤「タレントのお二人は“そんな姿見たことない”と言ってましたけど、先輩は涙を流しながらスピーチをされていて。それを見て、すごく愛を持って仕事をされているのだなと感じました。エイベックスの中にあるどんな仕事においても、IPへの愛を持って取り組むことがとても大事だと思い直せる時間でした」
社員総会は、改めてエイベックスという会社を自分たちで見つめ直す機会にもなる。そこで見えてきたのは、アーティストやタレントからエイベックスへの、あるいは、エイベックスの社員ひとりひとりからIPへ向けての、強い思いがこの会社を大きく突き動かしてきたということだろう。
多様なIP展開、
そのひとつひとつが「人」の努力の結晶
「Really! Mad+Pure Award」の最優秀チーム賞には、日本アカデミー賞 最優秀アニメーション作品賞を受賞した劇場アニメ『ルックバック』チームが選ばれた。
エイベックス・マネジメント株式会社でアーティストマネジメントのデスク業務を担う加藤綾華は、その受賞がもたらした気づきをこう振り返る。

加藤「エイベックスというとやはり音楽の事業がより目立つ部分もあると思いますが、今回『ルックバック』チームが受賞したことで、エイベックスが多角的なビジネス展開をしていることを改めて実感しました」
社員総会ではその後、グループ各社から今期の注力IPが紹介された。
加藤「いろんなプロジェクトの発表を見ながら、これもエイベックスが関わっているのかと驚くものもあり、改めて魅力的なIPを幅広く手掛けている会社なのだと感じました」

大澤「そうですよね、これだけいろいろなプロジェクトが発足して、それぞれに多くの方々が関わって目標に向かって進んでいるのが感じられる場なので、エンタテインメント企業としての規模感の大きさに気付かされます。また、『ルックバック』のプロジェクトでは中編映画でここまで世の中にインパクトを残せるということが証明できていて、そこにエイベックスらしさも感じますし、その挑戦する姿勢は自分自身の日々の仕事においても学べるところだと思いました」
グループ内に常に多様なプロジェクトがあり、時には会社や部署の垣根を越えながら、大きなゴールに向かっていく。
社員総会では、日頃の個々人の業務だけでは見えにくい多くの尽力と、それを支える熱い思いの姿を垣間見ることができる。その体験は、それぞれの仕事への向き合い方にも少なからず変化をもたらすだろう。
社員総会を経て胸に宿ったもの—
それぞれの“貢献”を再認識
では、今回集まってもらった5名にとって、この度の社員総会を経て受け取ることができた影響とはどんなものだったのだろうか。普段の仕事内容にも触れながら振り返ってもらった。
エイベックス株式会社で主に新卒社員の採用に携わる髙橋は、エイベックスを志望する若者たちとのコミュニケーションの観点での気持ちの変化を語る。

髙橋「私は普段の採用の仕事においては、学生さんたちにエイベックスの魅力を伝える立場です。この会社で扱っているIPの素晴らしさだけでなく、それがどれだけの愛を持ってつくられたのか、もっときちんと伝えられるようにならないといけない、と使命感を感じています。管理部門にいるので作品の受け手に対して直接的に関わることは難しいのですが、つくり手の思いのこもった作品が世界中に届いていくといいな、という気持ちは同じく持っています」
マネジメント業務に従事する加藤も、「デスクなのでアーティストと直接的に関わる機会は少ないが、陰で支える仕事として」と前置きしながらも、自分にできる貢献について熱を込める。
加藤「現場のみなさんが業務を遂行する上で、たとえば社内申請などの難しい手順を踏む必要があるときに、少しでも前に進みやすい環境をつくることも私にできる貢献だと、思いを新たにしました」
改めて見つめ直した
“エイベックスらしさ”
今回集まった5名全員が、この社員総会に対して社員を代表する立場として企画段階から参加してきたことを踏まえて、加藤は改めて感じたエイベックスの特徴として「若手の意見を取り入れる社風」を挙げる。

加藤「これからもこうして若手の意見を積極的に取り入れられる会社であってほしいなと思います。私自身もこれから先キャリアを重ねていく上で、若手の意見をきちんと取り入れられる立場でありたいと思っていますし、それがエイベックスらしさでもあると思っています」
若手の意見を取り入れる社風を改めて感じた点は、大澤も同様のようだ。
大澤「私の業務だと、例えば広告企画のディレクションを、アシスタントとしてではなく自分がメインで任されることもあり、エイベックスには常識や定番にとらわれない若い人のアイデアを活かそうという姿勢があると思います。それがエイベックスの大きな魅力だと思っていますし、社員総会にもその姿勢が現れているということだと思います。私たちのIPを活用した広告やイベントなどを通じてクライアントの方々に喜んでほしいというのはもちろんですが、社内に対しても、案件を通して知名度のアップや話題づくりなど、IPの価値向上に貢献できたらという思いが、社員総会を経て一層強まった気がします」
一方、小澤は、社員総会の企画に社員目線の意見を寄せるにあたり、こうして会社の垣根を超えたメンバーが集まったことで、通常の業務においてもグループ内での横断的なつながりを密にしていくことに可能性を感じたという。

小澤「会社や部署の枠を超えて、あるいは世代を超えて、横や縦のつながりをフル活用するような、エイベックスのパワーを隅々まで使ったようなプロジェクトにいつか携われたらいいなと思っています。そうしたエイベックスの360度展開の事業では、ひとつのIPでもさまざまなタッチポイントがつくれるのが強み。自分の友達とか親とか、ひょっとしたら将来生まれる自分の子どもかもしれないし、そんないろんな人にいろんなところで自分たちのIPに触れてもらえるような会社であり続けられたらいいなと思います」
いつか花開く“成功”も、
一歩ずつの成長から
そして、今年4月に異動を経て、昔からの憧れだったEXILEのA&Rとして奮闘する日々を送る佐野は、「まずは自分がしっかり成長すること」と意気込みを新たにしている。
佐野「今は、アーティストがレーベルやマネジメントの会社に所属しなくても音楽やエンタメを発信してファンに届けられる時代です。どんなに素晴らしいアーティストや作品も、それを活かせるスタッフがいなければエイベックスに所属してもらう意義は見出しづらい。だからこそ自分がしっかり成長して力をつけていきたいです」
それはもちろん一朝一夕で成し遂げられるものではなく、情熱を保ち日々の努力を積み重ねることがなにより重要であることを、今回の社員総会から強く感じ取った。
佐野「アワードを受賞した先輩も、最後のあいさつでCFOの林が話していたことですが、今この場で発表されているものは、何年も前から計画されて、長い間取り組んでやっと花開いたものだということ。その姿勢の凄みを感じることができた機会でした。今度は来年か再来年か、もっと先に、自分があの場で何か結果を出せるように、今担当しているアーティストと共にしっかりと長期的に、会社に貢献できるよう頑張りたいです」
参加した社員それぞれが、この社員総会から学びと手応えを持ち帰ることができた。その思いが形となり、実を結ぶのは数年先かもしれない。しかし、一歩ずつ重ねていく彼らの挑戦こそ、エンタテインメントが持つ新たな可能性そのものであるはずだ。エイベックスのあるべき姿をグループ全体で体現しながら進んだ先にある未来を楽しみにしたい。

(写真左から)
エイベックス・マネジメント株式会社
第1マネジメントグループ
加藤 綾華
エイベックス株式会社
人事グループ 第2人事ユニット
髙橋 知里
エイベックス・ミュージック・クリエイティヴ株式会社
第3レーベルグループ rhythm zone第1ユニット
佐野 可苗
エイベックス・アライアンス&パートナーズ株式会社
ビジネスプロデュースグループ プランニングユニット
大澤 吏功
エイベックス・ピクチャーズ株式会社
コンテンツビジネス本部 コンテンツセールスグループ セールスユニット
小澤 夏樹