エイベックス・エンタテインメント株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:黒岩克巳、以下:AEI)は、株式会社電通ライブ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長執行役員:孫生京、以下:電通ライブ)、株式会社バスキュール(本社:東京都港区、代表取締役社長:朴正義、以下:バスキュール)と、XR領域における音声AR事業での連携を開始し、音声ARコンテンツの制作、プラットフォーム開発で相互協力します。
AEIは、2018年5月に音声AR体験事業として「SARF(読み:サーフ)」を立ち上げ、大塚 愛がナビゲーターを務める渋谷の音声観光ガイドや、三越日本橋店内の音声ナビゲーションなど、アーティストや音楽配信サービス「AWA(読み:アワ)」を活用した音声ARサービスの企画開発や、音だけのホラーコンテンツやメディアアートなど、音声の特性を活かした音声ARコンテンツを多数制作してきました。(URL:https://sarf.jp)
同じく電通ライブ、バスキュールは、2018年1月に「音声AR(読み:オンセイエーアール)」プロジェクトをスタート。ファイナルファンタジー30周年記念展や映画ミッション:インポッシブルシリーズのプロモーションでの導入、六本木アートナイトでの作品出展など多数の制作実績を持っています。数多くのメディアにも掲載され、グッドデザインアワードを始め多数のアワードも受賞。「音声ARシステム」として、特許を出願しています。(URL:https://onsei-ar.jp)
今回の事業連携では、音声ARコンテンツの制作や、プラットフォーム開発、運用、営業、コンサルティング事業など3社の強みを活かすことで、音声ARを社会に啓発し、企業や自治体が簡単に音声ARコンテンツを作成・運用管理でき、誰もがストレス無く音声ARコンテンツを体験できる仕組み(エコシステム)の構築を目指します。具体的には、訪日外国人旅行者への音声による多言語での観光ナビゲーションコンテンツの提供や、音声によるスタンプラリーや聖地巡礼などアミューズメントコンテンツの提供、さらには、視覚障害者に対するアクセシビリティの向上を目的とした音声ガイドの提供など、Society 5.0を見据えた多層的な社会インフラとして、様々な企業・自治体と連携し、音声ARの普及を加速させていきます。
事業連携の最初の取り組みとして、和歌山県和歌山市の無人島「友ヶ島」の観光活性化を目的とした、音声ARによる島内観光ガイドアプリ「友ヶ島」を、和歌山市と共同で10月3日(木)にリリースします。また、ガイドアプリのリリースに合わせて、「友ヶ島第3砲台美術館」を開館しました。
「友ヶ島第3砲台美術館」は、「要塞島が美術館に。」をコンセプトに、近年神秘の無人島として注目を集めている和歌山市北西加太沖に浮かぶ無人島群・友ヶ島にある歴史的な要塞施設をそのまま美術館に変える試みで、世界でも類を見ない"音の展示"にフォーカスした美術館です。常設展示として、和歌山児童合唱団による幻想的な音声ARアートを、特別展示として、2019年10月3日(木)~10月31日(木)の期間、友ヶ島を舞台にした架空の物語を追体験する音声ARアートを展示します。
※詳細は、和歌山市のプレスリリースをご確認ください。
(URL:http://www.city.wakayama.wakayama.jp/kankou/kankouspot/1001203/1025368.html)
◆「友ヶ島第3砲台美術館」常設展示について
和歌山児童合唱団による幻想的な童謡が、島の時空を彩る音声ARアート。広い・狭い・重さ・踊るなど、普段は音に使わない形容や動作を付与することで、空間の認識を変化させる作品です。第3砲台にある物質的には同じ大きさを持つ5つの部屋が、サウンドスケール(ここでは音階という意味ではなく音による空間演出)によって、物理法則を超えて体験者それぞれの心的作用で拡張されていきます。立体的に構成された澄んだ歌声が、心に動的に配置されていくことで、視覚を通じた現実よりも聴覚を通じた仮想の方に没入していく音のインスタレーションとなります。
アーティスト
▷監修:川添 善行(Yoshiyuki Kawazoe)
建築家、東京大学准教授。1979年神奈川県生まれ。東京大学生産技術研究所准教授。空間構想一級建築士事務所。東京大学建築学科卒業、オランダ留学後、博士号取得。「変なホテル」、「東京大学総合図書館別館」などの建築作品や、「空間にこめられた意思をたどる」(幻冬舎)、「このまちに生きる」(彰国社)などの著作がある。日本建築学会作品選集新人賞、グッドデザイン未来づくりデザイン賞、ロヘリオ・サルモナ・南米建築賞名誉賞、東京建築賞最優秀賞などを受賞し、日蘭建築文化協会会長などを務める。
▷音声制作・クリエイション:松本昭彦(Akihiko Matsumoto)
東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修了。アルゴリズミックな作曲を専門とし、プログラミング技術を駆使し徹底的に人間性を排除して作られたピアノ曲集である1stCDアルバム 『Preludes for Piano Book1』を2016年にリリース。アートとテクノロジーについてのワークショッププロジェクトであるRESONANCEやAbleton and Max Community Japan、ライブイベントSOURCE CORDをオーガナイズし、雑誌PROSOUNDにて音とテクノロジーと表現に関するインタビュー連載をするなど、クリエイターのための多岐にわたる活動も積極的に行なっている。
▷合唱:和歌山児童合唱団
1958年に発足。小学1年生~高校2年生の団員の約100名。過去33回の海外演奏旅行をはじめ、定期演奏会や国内招待公演を中心に年間約20回の演奏活動を行う。国際的なコンクールにおいて全て「上位入賞」するなど世界的に高い評価を得るほか、全日本合唱コンクール一般の部で児童合唱として初の関西代表、宝塚国際室内合唱コンクールではこちらも児童合唱初の総合ニ位受賞など日本を代表する合唱団として活躍。2019年はエストニアで開催されている世界遺産の音楽祭に日本から初めて招待される。
▷総合演出:2nd Function
世界的なファッションブランドからテクノロジー企業まで、幅広い視野でクリエイションを提供。「CES」「SLUSH TOKYO」「TOA(東京開催)」など世界的なイベントでもエンターテックを用いた演出を手掛け、インタラクティヴなデジタルアートやVR/ARコンテンツ、また、メディアアートを用いたショーなどで、国内外のメディアから高い評価を受けて来たエイベックス内のクリエイティヴレーベル。
◆音声ARについて
現実空間に音楽や音声情報を重ねて表示することで、Society 5.0をスマートに実現する、新しいARの活用方法です。これまで主なARコンテンツ及びデバイスの開発は、現実空間上に新たなビジュアル情報を重ねて表示する"視覚"の拡張を前提にするもので、スマートフォンなど既存のデバイス画面に依存することで生じる視聴範囲の制限、また、それを解消するデバイスが開発段階のため、ARを最大限享受できないシチュエーションが散在していました。一方で、音声ARは、デバイスの制約や利用シーンの制約を受けない"聴覚"による拡張を前提とするため、現段階では"視覚"によるARと比べて、幅広いシチュエーションでの導入が可能です。視覚と比べた、音声ARの特長は、以下の通りです。
1:デバイスによる利用シーンの制約がほとんどない
(イヤホンやスピーカーを利用するため、画面サイズの制約等がない)
2:視覚と比べて注意喚起特性が高く、音声なので歩きスマホにならない
(都市など公共空間における高い安全性)
3:ビジュアル情報を伴わない音声の場合、利用者の属性(年齢、性別、出身地、宗教など)の違いによっ
て、コンテンツに対するイマジネーションが異なるため、精緻なパーソナライズが可能
4:映像と比べて最小限のコンテンツ制作・運用コスト
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