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マテリアリティ策定のプロセス

企業の存在意義や社会的価値は、「サステナブル(持続可能)な社会」への意識と行動によっても評価される時代になりました。それは、エンタテインメント企業も例外ではありません。
マテリアリティの決定にあたっては、国連グローバルコンパクトなどが作成した「SDGs Compass ~SDGsの企業行動指針~」、日本取引所グループ及び東京証券取引所の「ESG情報開示実践ハンドブック」、経済産業省の「価値協創ガイダンス」などを参考にしました。具体的には、以下のプロセスで決定しました。

STEP1.特に取り組むべきマテリアリティ候補の抽出

限りある人材と予算を有効的に活用する観点から、社会の持続可能性やエイベックスの企業価値と関係が深いマテリアリティを特定することにし、まずはマテリアリティ候補となる要素を網羅的に抽出しました。具体的には、持続可能な開発目標(SDGs)のほか、非財務情報の開示基準であるグローバル・レポーティング・イニシアティブ(GRI)基準、 サステナビリティ会計基準審議会(SASB)基準、ISO26000、さらにはモルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル(MSCI)ESG評価指標(特にエンターテイメント企業に対して特に重要視する項目)を参考にして網羅的なリストアップを行いました。また、マテリアリティを特定している他の民間企業の例も参考にしました。

マテリアリティ候補

環境

気候変動への対応(温室効果ガス排出)、再生可能エネルギー活用、エネルギー管理、水と排水管理、生物多様性、空気の質、原材料の調達・管理、ごみ・廃棄物管理、製品のライフサイクル管理

社会/人

人的資本開発(人材発掘・育成)、労働慣行/働き方、従業員の健康と安全、従業員のエンゲージメント、人権の尊重、児童労働の排除、強制労働の排除、サプライチェーン上の人権・労働基準、責任ある投資、製品の安全、防災、地域・コミュニティとの連携、​ダイバーシティ&インクルージョン、製品・サービスの利用可能性と価格の手頃さ、販売慣行・表示、顧客の栄養と健康、顧客の財政的保護、顧客のプライバシー、情報セキュリティ、教育・文化、貧困対策、金融へのアクセス

ガバナンス

コーポレートガバナンス、ビジネス倫理、重大事故のリスク管理、システム・体制的リスクの管理、税の透明性、会計の透明性、報酬の透明性、市場の競争性の担保、反腐敗、ビジネスモデルの強靭性

その他

次世代ビジネス、イノベーション、テクノロジー、デジタル/DX、経済・社会・環境の調和、製品・サービスのデザイン性

STEP2.マテリアリティ・マトリクスの作成

リストアップしたマテリアリティ候補項目を、SDGs CompassやESG情報開示実践ハンドブックにて推奨する形式でマッピングし、マテリアリティ・マトリクスを作成しました。その際、 社会がエイベックスに何を求めているのかという観点(「ステークホルダー(※)が自社の何に関心を持ち、期待しているか」)と、エイベックスが企業として何を重視しているかという観点(「自社の中長期的な企業価値/価値創造との結びつき」)という2つの軸から検討しました。

※おもなステークホルダーとして設定した主体:ファン(顧客)、従業員/所属タレント・アーティスト、制作パートナー、株主・投資家、取引先、地域社会、公的機関(政府,自治体,国際機関)、メディア

マテリアリティ・マトリクスの作成

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STEP3.マテリアリティの決定

作成したマテリアリティ・マトリクスをもとに、社内各部署との意見交換や社員アンケートなどを実施したほか、社外の専門家(機関投資家、他の民間企業、国際機関関係者など)とも意見交換し、エイベックスとして3つの主要テーマと7つの個別項目からなるマテリアリティを以下のとおり特定しました。

「無形の豊かさ」を創る、届ける

  • 才能や作品を通じた人々への感動や生きる活力の提供

  • ダイバーシティ&インクルージョン(多様性と包摂性)の推進

「次世代」を創る、届ける

  • 「次世代」人材の発掘・育成

  • 「サステナブルな世界」に向けた多様なパートナーシップ

  • 経済・社会・環境を調和するイノベーション

「無形の豊かさ」と「次世代」を創るための土台となる組織づくり

  • ビジネス倫理を確保するガバナンス

  • 働きがいと人権の尊重

STEP4.アクションプランの策定

上記で特定したマテリアリティを踏まえて、今後の取り組みを具体的に進めるためのアクションプランを策定しました。
今後、サステナビリティポリシーやアクションプランの社内浸透を進めます。また、アクションプランについては、取り組みを定期的にレビューし、必要な修正を随時行うことで、絶えずアクションの改善を進めていきます。