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ハイライト

ONOFF

今年で18年目を迎えたa-nation 2019。“ヒールで行ける”フェスというコンセプトでスタートしたこのフェスは、観客が街中と同じようにオシャレをして参加できる都市型ポップ・ミュージックのイベントとして、これまでもエイベックスらしさを存分に発揮してきた。昨年から引き続き今年も全国での開催を継続し、地方行政や企業、媒体との繋がりをさらに重視。このイベントならではのサーキット形式で7/20(土)の青森に始まり、7/27(土)の三重、8/3(土)の福岡、ラストは8/17(土)・18(日)の大阪という4会場での開催となった(三重は台風6号の影響で中止)。今年、a-nationはどのような独自性と未来への可能性を見せたのか? 大阪公演の初日に当たる8/17(土)をレポートする。

安定したクオリティと新たな挑戦
会場を賑わせた出展ブース
とホスピタリティ

今年のa-nationのラストを飾る大阪公演は、8/17(土)、18(日)にヤンマースタジアム長居で開催。初日は夏真っ盛りの天候だったが、その暑さにも負けず開場前から多くの来場者があふれていた。さまざまなスポンサーブースはスタジアムの野外に展開されており、チケットを持たない来場者へもリーチできるスポンサーホスピタリティが感じられた。

2014年に開催されたa-nationでの東方神起のライヴ生配信を皮切りに、このイベントを毎年生配信しているdTVのブースでは、大阪公演に出演するアーティストのサイン入りグッズが当たる抽選会を実施。また、マリンスタイルのフォトジェニックなスポットも多数設置され、ライヴが始まるまでの時間には多くの来場者が列を作っていた。

また、ドトールコーヒーは音楽と繋がる“青いドトール”を今年も出店。ブース全体は、花をモチーフに色鮮やかなデザインとなっており、インスタ映えするフォトブースとして人気の的に。さらに期間中は倖田來未、Shuta Sueyoshi、Da-iCEという3アーティストとのコラボドリンクを限定販売し、購入者にはオリジナルコラボステッカーをプレゼントしていた。

そして今年も女性に大人気の「BEAUTY FES.Dream Girls Market」が登場。ここでは有名スタイリストによる無料ヘアアレンジが行われ、a-nationに毎年参加している風の女性客から、初めて参加するような10代の子まで、この日だけのスペシャルなヘアアレンジを楽しんでいた。

さらにFOODブースも充実。a-nationカラー&ロゴ入りのアイスバーやかき氷、タピオカといった爽やかなスイーツ系から、串焼きやステーキ丼、カレーにケバブといったガッツリ系まで充実のラインナップ。来場者はそれらを味わいながら、これから始まるライヴに備えていた。

また来場者の“荷物”面での新たな試みとして、荷物一時預かりシェアリングサービス「ecbo cloak(エクボクローク)」を開設。10万人を動員するa-nationでは手荷物を預けたい来場者が多く、会場内や周辺のコインロッカーだけでは数が足りないといった課題があった。そこで今回、その要望に応える形でecbo cloakのサービスを導入。今後このサービスがより認知されれば、来場者にとってより快適な時間を過ごすことができるようになるだろう。

初披露&サプライズ
が会場を沸かす
序盤から盛り上げ
続けるa-nationのライヴ施策

会場前の昼の時間帯には、入場無料のCommunity Stageで、今後の活躍が期待される若手アーティストたちによる熱いステージが繰り広げられた。その中でも“エイベックスのDNAを継承する新ダンス&ボーカルグループ”a-genicは、Community Stageだけでなくメインステージでのオープニングアクトも担当。a-nationという大舞台に挑んだ初々しいステージは、彼らにとって大きな経験となったことだろう。そしてこの日、彼らにとって目指すべき先輩に当たるlol、Da-iCE、そしてAAAといったダンス&ボーカルグループのステージを目の当たりにし、大きな刺激を受けたはずだ。

この日のメインステージのトップバッターを務めたのはDA PUMP。スクリーンにその名前が映し出されただけで大歓声が上がり、昨年大ヒットした「U.S.A.」での盛り上がりはもちろん、最新曲「P.A.R.T.Y.~ユニバース・フェスティバル~」では、身体を小刻みに揺らす“バイーンダンス”を披露し、新たなヒットへの期待を感じさせた。また、DA PUMPの姉さん的存在のMAXは「U.S.A.」のアンサーソングとなる「JAPAN JAPAN JAPAN」を初披露。DA PUMPのTOMOが振り付けを担当したこの曲では、親指に加えて人さし指も立てる“Jダンス”を、ステージに登場したDA PUMPと共にパフォーマンス。さらにその後、サプライズゲストの時間で登場したものまねタレントのりんごちゃんも武田鉄矢のものまねで「U.S.A.」を披露するなど、前半戦はDA PUMP尽くしの内容で観客を沸かした。

“ブレないポップさ”で
国内外アーティストを繋ぐ
a-nationが今年も
魅せた渾身のステージング

中盤では、法被を身に付けた地元・大阪出身のET-KINGが、お祭りムード満点で温かみのあるラップを披露。また、World Star Thailandといった海外のアーティストの招致も新たな試みとして評価したい。
そして、ドラムセットを背負い、ラッパを付け、ギターを手にした“一人バンド状態”で登場したナオト・インティライミは、自身の曲の“いいところメドレー”ですぐさま観客の心を掴むと、ダンサーと共に「The World is ours!」で会場を一体にするなど、そのエンタテインメント性を存分に発揮した。

その意味では「最初に言っとく。みんなが知らない曲ばっか歌う」と宣言して登場したHUN-KUNの盛り上げ方も見事で、観客を巻き込んでいくそのグルーヴ感は圧倒的。続く平井大は、「Life is Beautiful」などをウクレレの音色とともに奏で、夕暮れ時の会場をエモーショナルに彩ってみせた。

そしてここからはエイベックスらしいダンス&ボーカルの魅力を味わえる時間へ。Da-iCEは、ダンサブルな「FAKE ME FAKE ME OUT」からラブソングの「君色」まで全7曲を披露。2014年のデビュー以来、200公演以上のライヴツアーを経験してきた彼ら。その確かな成長と、支えるファンとの絆を感じさせるステージだった。続くlolは、スペシャルメンバーとしてTRFのDJ KOOが加わってのパフォーマンス。新曲「brave up!!」を始めとする楽曲で熱いコラボを披露し、その勢いを見せつけた。

そしてこの日の大きな目玉の一つ、BLACKPINKがステージに現れると最大級の歓声が湧き上がる。BLACKPINKのa-nation出演は、2017年の東京公演以来、2年ぶり。今回はバンドやダンサーを引き連れ、ワールドツアーで成長した圧巻のステージングを見せつけた。代表曲「DDU-DU DDU-DU」、初歌唱曲「Kill This Love」「Don’t know What To Do」「Kick it」、2018年を代表するヒットナンバー「BOOMBAYAH」など全9曲。そのパフォーマンス、そしてキュートな日本語MC、すべてでa-nationの観客たちを虜にしていた。

そして大トリは、3年連続となるヘッドライナーを務めたAAA。「No Way Back」からスタートしたライヴは日高光啓のラップが映える「SHOUT & SHAKE」、ドラマチックなボーカル&ダンスで魅せる「恋音と雨空」、会場を一周しながらファンとの絆を感じさせた「LIFE」と続々と代表曲を披露していく。そしてAAAならではのアットホームなMCは、ファンにとって彼らの変わらない良さを感じさせてくれる時間だった。そして、10/23(水)発売の新曲「BAD LOVE」が初披露されるとファンの興奮は最高潮に。ラストの「DEJAVU」までとことんAAAの世界観を見せつけた全10曲。この日最大級のステージ演出と渾身のステージングで、a-nation 2019・大阪公演初日は幕を閉じた。

ライヴ全体を通じて、初見でも楽しめるアーティストたちがズラリと勢揃いしたセットリストはエイベックスらしさを感じさせるとともに、a-nationに出演するアーティストたちは、その盛り上げ方の巧さ、ステージング、楽曲の方向性のすべてを兼ね備えていると感じた。それでもa-nationを統括する山中は、「まだまだ目標としていることの半分もできていないと思っています。ただできてないということは、進化する余白があるということなので、毎年成長させていきたい。そして、出演してもらったアーティスト、関係各所から『a-nationと一緒に仕事をして良かった!』と思われるものにしていきたいです」と、今年を振り返りながら一層の飛躍を口にしていた。

今年のイベントの模様を見た上で、改めてa-nationの未来という点で言えば、a-genicを始めとする若いアーティストたちが先輩たちのステージを目にして、「いつか自分たちも……」と思うような憧れの場であることは十分に感じられたし、現に今回のCommunity Stageに出演したアーティストの中から近い将来、メインステージに登場するアーティストが生まれるはずだ。そして、デビュー前のa-genicの抜擢やアーティストたちの当日の新曲サプライズ発表などは、a-nationを一つのメディアとして捉えたときに、出演するアーティストがイベント出演だけという点のプロモーションではなく、 事前、事後と線になっていくプロモーション効果へと繋がっていただろう。

エイベックスがこれまで培ってきたノウハウを最大限に発揮し、年々新たな施策を試しながら進化してきた夏の一大イベント、a-nation。そのオリジナリティやポップ・ミュージックに振り切った姿勢さえブレなければ、次世代のアーティストがa-nationを今後さらなるステージに連れて行く。

こんな内容

関連リンク

『a-nation』OFFICIAL SITE
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