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濱正悟×マネージャー小島ちはる もがいて掴んだ“自分らしさ“ 濱正悟×マネージャー小島ちはる もがいて掴んだ“自分らしさ“

ハイライト

ONOFF

2022年に入り、NHKよるドラ『恋せぬふたり』のカズくん役やNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の平維盛役での出演に続き、5月末からはテレビ東京『何かおかしい』で民放連続ドラマ初主演、そして2022年後期連続テレビ小説「舞いあがれ!」での朝ドラ初出演が決定など、その勢いが目覚ましい俳優・濱正悟。2015年のGirlsAward × エイベックス 『BoysAward Audition』で特別賞を受賞したことをきっかけにデビューし、2018年から2019年にかけてはスーパー戦隊『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』のルパンブルー/宵町透真役で脚光を浴びた。

ただし、濱正悟の俳優としての道のりは決して順風満帆ではなく、マネージャー・小島ちはるとの、手探りでもがいた二人三脚の日々だった。今回は、濱正悟がマネージャーと共に探った俳優としてのあり方や、個性を活かした成長の軌跡について、ゼロから歩んだふたりがじっくりと語った。

濱正悟×マネージャー小島ちはる もがいて掴んだ“自分らしさ“

テレビっ子の原体験
千載一遇のオーディション

濱正悟×マネージャー小島ちはる もがいて掴んだ“自分らしさ“

まずは濱正悟という人間が俳優を志したきっかけや、その道へ足を踏み入れたエピソードから振り返っていこう。その始まりは、濱の幼少期のテレビ体験から始まる。

濱「自分は小さい頃からテレビっ子で、いろいろなジャンルの番組を家でよく見ていたことから、漠然とテレビの世界に興味がありました。その後、高校3年のときに初めてオーディションを受けたけど落選。進路を親と相談した結果、大学へ進学したんです。大学で自分探しをしている中でやっぱり俳優の仕事がしたいと考えるようになり、周りがみんな就職活動を始めていた2年生のときにさまざまなオーディションを受けて、その中のひとつがエイベックスでした」

結果的に、濱はそのオーディションで特別賞を受賞。2015年の4月からエイベックス所属となり、俳優の道へと足を踏み入れる。ただしそのスタートは決して華々しいものではなく、地道にオーディションを受け続ける日々だった。

濱「芝居が未経験だったので、まず書類審査の時点で通らないことがほとんど。その頃は、エイベックスの方々とずっと作戦会議をしていましたね」

その年に初めて脇役で芝居の現場を経験したのち、翌年の春にはようやくオーディションに合格。それは、情報番組『ZIP!』のレポーターだった。そして、のちに担当マネージャーとして苦楽を共にする小島ちはるがエイベックスに入社する。

小島「私は2016年の12月に中途でエイベックスに入社して、最初は濱を含めて20人ぐらいの俳優グループのマネジメントを上司ふたりと担当しました。元々エンタメ系の仕事には興味があったのですが、前職はまったくジャンルの違う不動産会社の営業事務。ただしやっぱりやりたいことにチャレンジしてみようと思いエイベックスの中途採用を受けました。私が入社して濱と出会ったのは彼が22歳のときで、『ZIP!』のレポーターをやっているときでしたね」

しかし、レポーターの仕事は1年で終了。その後しばらく濱は波に乗れず、もがき苦しむ時期に突入する。そこから濱と小島の、“エイベックス生え抜きでブレイクする俳優”を目指した冒険が始まった。

“空白の日々”を経て
戦隊ヒーローでファン獲得

濱正悟×マネージャー小島ちはる もがいて掴んだ“自分らしさ“

『ZIP!』のレポーターが終わって半年間、仕事のない“空白の日々”を過ごした濱と小島。そこからは、めげそうになりながらもオーディションを受け続けた。

小島「私もエイベックスに入社してすぐの時期だったので、その段階の私が濱に対して『こうした方がいいんじゃない?』と諭すのも違うかなと思っていました。なので愚痴も含め、“よく話を聞く”ということをすごく意識していました。とにかくたわいもない話から真剣な仕事の話まで、“会話”をとことんしたと思います」

濱「共にもがきながらやっていましたね。小島さんは別の業界から入ってきたこともあって、フラットな心や視点を持っているというか。だから、小島さんと話すことで原点に立ち返れた部分は大きかったです」

そして、そのもがきの先に、濱はキャリアの中で今なお語られる仕事をつかむ。

それこそが、スーパー戦隊シリーズ第42作目の特撮ドラマ『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』におけるメインキャストのひとり、ルパンブルー/宵町透真役。小島曰く、役が決まったときの濱は今までにないくらい喜んでいたという。

濱「レギュラーの仕事というのはやっぱり大きかったし、それが芝居のお仕事であることがすごくうれしくて。そのあと、当時のチーフマネージャーさんと小島さんとそのまま銀座のお鮨屋さんに行きました」

初めてのレギュラー、メインキャスト、そして何と言っても戦隊ヒーロー。誰もができるものではない役を手にした濱は、1年間を通して戦隊ヒーローファンやファミリー層をはじめとする多くの人々の目に触れ、俳優としての大きな扉を開けた。

濱「個人としてはもちろん、作品にファンが付いてくれたことが役者としてうれしかったですね。1年間かけて共演者の方々と濃く絡めたというのはすごくいい経験でしたし、得られるものがたくさんありました。演技の面でもひとつの役を考える時間が長かったので、より深く取り組めたと思います」

小島「濱がお芝居で勝ち取った初めての大きな仕事でしたし、歴史ある戦隊ヒーロー作品の座組みに担当している俳優が参加できたというのは、すごくうれしかったです。放送の初回はテレビの前に食いついて見ました。その1年間の経験を経て、濱自身も仕事や人との向き合いなど、内面も含めてガラッと変わったような気がします。また応援してくれるファンの方も獲得して写真集やカレンダーを出すこともできましたし、初めての転機と言える作品になったと思います」

ワンシーンでも一言でも
過去に捉われない現場主義

濱正悟×マネージャー小島ちはる もがいて掴んだ“自分らしさ“

ただし戦隊ヒーローを演じても、その後必ずしも順調にいかないのがこの業界の常。戦隊ヒーローとは登竜門であり、スタート地点。濱の俳優としての道のりは始まったばかりだということを小島は胸に刻んでいた。

小島「スーパー戦隊シリーズに出演したあと、ワンシーンのちょっとした役をやることに抵抗を持つ事務所さんもあると思うのですが、とにかくひとつでも多くカメラの前でお芝居をして、芝居力だけでなく、現場での立ち振る舞いも含め人としての経験値を積むことが重要と考えていたので、『ここからはワンシーンやセリフが一言の役も積極的にやらせていただき、地道に現場の経験を積んで濱正悟をよりみなさんに知ってもらおう』と今の上司の佐々木さんとも話をして、濱もそれを理解してくれました」

濱「自分はとにかく作品の現場が好きなんです。芝居って現場によって全然変わるし、映画、ドラマ、それぞれ違う醍醐味があるので、僕はどんな役でも楽しく取り組むことができました」

小島「さまざまな作品性や監督の演出に対応できるように、濱は当時から演技レッスンや監督ワークショップなどにも取り組んでいました。役者はひとつひとつの役を自分で勝ち取っていかないといけない。濱の場合、戦隊ヒーローの次にまた大きな仕事を勝ち取る必要があった。今年出演した『恋せぬふたり』はオーディションで濱が勝ち取った作品ですが、役の大小に関わらず現場を積んできた経験が生きてきたからこそ来たるタイミングで結果を出せたので、このやり方は間違ってなかったと思います」

過去に縋(すが)らず、驕(おご)らず──。小島の冷静な戦略と、それを素直に受け取って実行できる濱の性格、そして根本にある俳優への熱い想い。それらが組み合わさることで、思わぬ形で仕事に繋がっていったことも。

濱「ワンシーンだけしか出ていない作品の監督が、別の作品に呼んでくれることもあって。『世にも奇妙な物語』に少しだけ出させていただいたときも、それを見てくれた方から『ファンになりました!』って手紙が届いて驚きました。やっぱり見てくれている人は見てくれているし、してきたことすべてに意味があると思えますよね」

小島「ワンシーンで出演したドラマの放送を見たら尺の関係などでカットになっていたり、なかなか思うように仕事が回らず、悔しい想いを何度もしました。泣きながら上司に『もう辞めます!』と会社の食堂で大号泣したこともありましたが、結果、濱を見捨てて去ることはできなかった。濱のいいところは、売れたいという想いを実際の行動に移せるところなんです。本当に仕事がなかったときも、過去にモデルで出ていた雑誌のコピーでスクラップ資料を作り、『これで営業お願いします』って言われたこともありました。ただ売れたいって言う子はたくさんいるけど、具体的に示してくる子はなかなかいないので。私は濱のその想いにずっと突き動かされて、今日までやってこれたのかもしれません。こういう人が売れてほしいと思ったし、売れるべきだと思ったし、事務所として売るべき人間だと思った。そして役に対して準備を怠らず、ストイックに向き合う姿勢などを見て、濱とならもがき苦しんだ先にある素晴らしい景色を一緒に見られるのでは……と思い続けて今日までやっています」

2022年、ふたりの歩みはひとつの結実を迎える。

濱は冒頭にも書いた通り、NHK総合よるドラ『恋せぬふたり』、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』、そして民放連続ドラマ初主演のテレビ東京『何かおかしい』など話題作への出演が続き、また先日発売された「日経エンタテインメント!」8月号が発表した20代俳優出演数ランキングで1位を獲得。今後はさらに、2022年後期朝ドラ「舞いあがれ!」への出演や主演映画の公開も控えている。エイベックス入社後から現在に至るまで、濱正悟という役者とふたりで歩んできた小島は、今改めて濱の俳優としての魅力をどう考えているのか。

小島「いただいた役はご縁だと思ってすべてやってきましたし、戦隊が終わってからは、わりと影のあるような役を演じることも多くて。いい人も演じられるし、猟奇的な役もハマる、役者としての“幅”が濱の魅力だと思います。その魅力をもっと見せられる作品に出会うべく、動いていかないとなと日々感じています」

濱「どうしたら芝居がもっとできるのかを考えていくうちに、自分の中にある役者像と小島さんが思い描く役者像が自然と一致したのも大きかった。自ずとそのときにやるべき役が舞い込んできて、どれも自分に合っていたなと今改めて思います」

躍進中俳優と
マネージャーの“冒険”は続く

俳優・濱正悟を支える小島の根底には、「エイベックスがプロパーで発掘・育成し、映画やドラマといった映像作品で長く活躍する俳優第一号にしたい」という強い想いがある。

小島「エイベックスにはオーディションから戦隊を経て、映像作品で主演を務める男性俳優は今までおらず、その前例がなかった中で、パイオニアのような存在になろうという気持ちでここまでやってきましたし、濱もその覚悟を持っています。長く愛される俳優になるには、根底に演技力がないと“点”で終わってしまいますし、さらにそれを“線”にしていくためにはどんどん作品に出るしかない。今でも手探りですし、濱と一緒にもがいています。階段に例えるならば決して2段飛ばしで上がるなどということはなく、1段1段着実に登ってきた。その積み上げてきた実績があって今ようやくスタート地点に立ったなという気持ちでいるので、まだまだこれからも戦っていくんだなと思うし、濱とならきっと戦えるはず。濱を筆頭に、いろいろな方々からお声をかけていただけるような俳優をこれからも発掘・育成して、みなさんにワクワクしていただける作品に関係していければと思っています」

その言葉に対して、「きっと一生もがき続けていくと思います」と濱。

舞台、ドラマ、映画。俳優・濱正悟は、ここまでさまざまな役を演じ、これからもさまざまな役を演じていくだろう。そして常に初心を忘れず、個性を磨き、イメージに捉われない俳優としての在り方を選んできた濱と小島の“冒険”がこれからも続く限り、その姿をスクリーンで見る機会はますます増えていくことは間違いない。

濱正悟×マネージャー小島ちはる もがいて掴んだ“自分らしさ“

(写真左)
濱正悟

(写真右)
エイベックス・マネジメント株式会社
小島ちはる

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関連リンク

濱正悟 - avex management Web
濱正悟 Twitter
濱正悟 Instagram
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