エイベックス・ピクチャーズ株式会社(API)所属の声優、石橋陽彩。4歳の頃からエイベックス・アーティストアカデミーでエンタテインメントの世界を志し、2018年に日本公開のディズニー/ピクサー映画『リメンバー・ミー』では主人公・ミゲル役として、13歳にしてその才能を開花。2025年には声優アワード「新人声優賞」を受賞するなど、着実に経験と成長を重ねてきた。
2026年1月には主人公・凱(がい)役を演じる『鎧真伝サムライトルーパー』の放送が開始された。多くの反響を呼んだ同作の第2クールが封切られるにあたり、あらためてこれまでのエイベックスとの歩みをマネージャー佐々木(株式会社エイベックス・アニメーションレーベルズ※APIの子会社)と共に振り返ってもらいながら、石橋とAPIの現在地、そしてこれからについても話を聞いた。
エイベックスが“ホーム”、才能を育む原点
『歌って踊れるアーティストになりたい』そんな強い思いを抱いて幼少期から通っていたエイベックス・アーティストアカデミーは、第2の家の様だったと石橋は思い返して笑みを浮かべる。
石橋「幼稚園児だった僕にとっては大好きな歌とダンスをやれる唯一の場所で、大切な時間でした。小学校、中学校と上がっても、学校行ってエイベックスに行って…っていう日常をずっと送っていました。様々な経験を自分の成長につなげていく姿勢だったり、そこで本当にたくさんのことを教わることができました」
レッスンに明け暮れていた少年時代に、大きな転機が訪れたのは12歳になる頃。ディズニー/ピクサー映画『リメンバー・ミー』のオーディションに挑戦、そして現在のマネージャー佐々木ともそこで出会うことになる。
佐々木「ディズニーさんからミゲル役のオーディションの話を頂いたものの、当時マネジメントしていた声優は大人ばかりだったので、アカデミーに通っていたヴォーカルコース、ダンスコースなど、全ての子どもたちにアナウンスをかけて内々のオーディションをしたんです。沢山の子ども達に会ったのですが、そこで『あ、居た!』ってピンと来たのが陽彩でした。『この子しかいない!』って」
石橋は「当時は声優をやるなんて全然思っていなかった」と言うが、演じる人物の状況や心境のヒントを説明すると、芝居を変えてくる12歳の石橋陽彩に、佐々木は確かな才能を見出していた。そして石橋は見事に主人公の座を射止める。
石橋「アフレコの現場は初めてで、右も左もわからない状態で、でもとにかく自分に任せていただいた仕事を全力でひたむきにやろう、と思っていました。今週はこのシーンだからこのシーンを全力でやる、来週はあのシーンだからあのシーンを全力でやる…ただ目の前のものに精一杯向き合い続けるしかなかったです」
声優としてはもちろん、作品の規模も初めてのことばかりの現場。全力で奮闘する石橋の姿を見て、「楽しそう」だと佐々木は思ったという。
佐々木「作中ではたくさん歌も歌わせていただいて、レコーディングに何日もかけていただきました。13歳の男の子が録音ブースに1人で入って、たくさんの大人に囲まれながら長時間レコーディングするって、なかなか出来ることじゃないと思いますが、陽彩は一曲一曲、本当に楽しそうに歌ってるんです。スタッフさんも『ここまで歌えるなら…』とさらに高みを目指して陽彩を引き上げてくれる。それになんとか応えようとする姿を見て、私が想像してた以上にすごい子だなと思いましたね…」
才能に本気で向き合うということ
石橋の言葉や姿勢からは、成長への貪欲さが伝わってくる。常に上を目指しながら仕事に向き合う姿勢にも現れる一方で、その前向きさを自分のものにするまでには、多くの葛藤や苦しい時期を乗り越えてきた。
『リメンバー・ミー』での好演を機に、声優・石橋陽彩は一躍注目を集める。そして、その後もいくつかの作品を経て声優としてのキャリアを重ねていったが...
石橋「やっぱり“歌をやりたい”っていう思いは『リメンバー・ミー』の後もずっと変わらずにあって。でもなかなか上手くいかなかったんです。そんな中、18歳になった頃、佐々木さんから『声優に本腰を入れないか』と言っていただきました」
佐々木「私としては、彼を声優の世界に引き込んだという責任みたいなものも感じていて、歌が大好きなのは当然知っていたし、歌を辞めてほしい訳でもなく、ただ、持ち合わせている歌だけじゃない『芝居』という才能に本気で向き合ってもいいんじゃないかと思ったんです」
石橋「正直に言うと、その頃の僕は仕事に対してそこまで真剣に深く考えてはいなくて、『リメンバー・ミー』で注目されて以降、自分の力を過信していた部分もあったと思うんです。調子に乗っていたというか、当時の自分に会ったら引っ叩いてやりたい(笑)。佐々木さんに厳しい言葉を掛けてもらったこともありましたね」
佐々木「いくら才能があっても、本気じゃなければ当然勝ち残っていけないのがこの世界です。あるオーディションを前に、あまり練習をしてこなかったことがあって。この役を本気で獲りたいと思っている人たちがたくさんいる中、生ぬるい状態でやって来たのは皆さんにも作品にも失礼だから、もう帰っていいよって」
石橋「仕事の厳しさに18歳になってやっと気付くのは遅いと思うんですけど。それまでは本当に運が良かっただけで、周りの人に活かされてきたんだなと痛感しました。たくさんのお仕事をさせていただけている今では、謙虚に前向きに取り組む姿勢が本当に大事なんだと分かるし、前向きに挑んでこそ作品に貢献できるんだと実感しています」
佐々木「今では声優という仕事に対して、逆に私たちが圧倒される程、とにかくポジティブで前向きなオーラが溢れてます。むしろ私たちが引っ張ってもらってるような感覚がありますね(笑)」
人として、そして声優・アーティストとして、多感な時期に抱える葛藤や不安を乗り越えようとするとき、「そばにいてくれる人が佐々木さんで本当に良かった」と石橋は言う。
石橋「僕が全然ダメだった頃、あそこでそのまま何にも気づけず、中途半端な自分のままだった未来もあったかもしれないけど、佐々木さんはそういうとき厳しく叱ってくださるし、昔から『どんなにうまくいっていても調子には乗るな、天狗になるな』っていつも言ってくれます。それを自分に言い聞かせながら、ひたむきに頑張ってます。今では僕が頑張って佐々木さんたちマネージャー陣を天狗にさせてやろう、ぐらいの気持ちでいますよ」
謙虚にひたむきに、そして楽しく、自身の成長を再び貪欲に追い求め始めた石橋の奮闘は、やがて2025年、TVアニメ『シンカリオン チェンジ ザ ワールド』での好演が評価された声優アワード「新人声優賞」受賞に結実する。
石橋「『シンカリオン』は、僕が演じた主人公・大成タイセイと僕自身が、1年かけて一緒に成長していった作品だったと感じています。声優として本気で頑張ると覚悟を決めた夏に決まった作品で、それまでの自分を変えてでも全力を注いだ作品になったという自負があります。受賞が決まった時は、そこでやっと過去の自分と決別できました。それまでの頑張りが報われた気がしたし、もっと頑張れよって背中を押されたようにも思います」
佐々木「仕事に取り組む姿勢が変化する前と比べると、お芝居が全く違うんです。かなりハッキリと変わっていきました。『やっとここまで来れたな』って、その変化を横で見てきて『もう大丈夫だな』と思えたタイミングでの受賞だったので、本当に嬉しかったです。」
役者とスタッフ、熱量を高め合う好循環
幼少期から、未来が明るく感じられる時もそうでない時も、エイベックスと寄り添いながらここまで歩みを進めてきた石橋。所属声優として、APIに対してはどんな思いを持っているのだろう。
石橋「他の声優事務所と比べると、うちは所属声優が少ないですよね。大手の事務所には何百人という声優の方がいる中で、僕が所属した頃は7人くらいしかいなかったんです。そのぶん、オーディションを受けさせてもらえるチャンスにはものすごく恵まれていて、すごく成長できたと思います。それになんといっても、僕を支えてくれているマネージャーの皆さんの存在がなにより大きくて、こうして仕事ができているのは皆さんのおかげでしかないです。APIの魅力は、一人ひとりの“人”の魅力だと思いますね」
佐々木「エイベックスという会社自体はたくさんの方に知ってもらえていましたが、声優のマネジメントをスタートさせた頃は『エイベックスなのに声優やってるの?』と言われるような状態で、そもそもオーディションの機会さえまともにない状況でした。それでもこの会社で声優を目指したいと頑張ってくれる役者たちの本気の熱量に応えたくて走ってきた感覚があります。ありがたいことに会社として『佐々木の好きなようにやってみろ』と任せてもらえる環境もありました。おかげで、大変なことがなかったとは言いませんが(笑)伸び伸びと、一人ひとりの役者はもちろん、マネージャー達とも本気で向き合えるチーム体制がつくれていると思います」
石橋をはじめとする声優たちが胸に抱く熱量こそが、それに応えるスタッフ陣の熱量をも高め、その情熱はまた声優たちへと返され循環が生まれていく。
石橋「僕も、先輩方も、後輩たちも、本当に熱量がすごいんです。周囲の姿を見るたびに『自分ももっと頑張らなきゃ』と刺激を受けますし、その熱は先輩や後輩、マネージャー陣からも自然と伝わってくる。そんな前向きなエネルギーの循環が社内に生まれているのは、APIの大きな強みだと思います。」
役柄と共に成長し続ける、
飽くなき向上心こそが強さ
2026年7月には主人公・凱役を演じる『鎧真伝サムライトルーパー』の第2クールの放送がスタートするが、飽くことなく成長を求める石橋の姿勢は今作でも健在だ。
©SUNRISE
石橋「これまで僕は、ひたむきに頑張る“少年”といった役を演じさせてもらうことが多くて、今作の凱のような雰囲気のキャラクターは初めてです。物語の最初の方は悪役だったりするので、言葉遣いも荒いし、そこも含めて自分にとっては挑戦だと思って取り組んできました。そんな凱もストーリーが進むにつれ、仲間に影響されて人間思いの優しい人に育っていくし、僕自身も凱と一緒にキャラクターの幅を広げて成長していったなっていう実感はあります。それと今作で喉はすごく強くなりましたね、戦闘シーンでこれまでの役柄には無かったような叫び方をしまくってるので(笑)」
これから始まる第2クールで注目してほしいポイントはどんなところだろうか。
石橋「原作のないオリジナル作品ということもあって、まだ言えないことがほとんどですが、人間ドラマが本当に面白くなっていくし、各キャラクターの魅力も濃い作品です。いわゆる『戦隊モノ』と敬遠してしまっている方がいたら、ぜひ先入観に囚われずに第1クールから観て欲しいですね。推しキャラなんかも是非決めていただいて、たくさんの方に楽しんで欲しいなと思います」
石橋はきっとこの作品を通して得た様々な経験を、次の作品へと向かいながら、また自身の成長に変えていくのだろう。
石橋のこの先の未来に向けてどんな可能性の広がりを感じるかと佐々木に聞くと——。
佐々木「振り返れば、本当にどん底まで行ったような時期もありました。でも、そこから自分で腹を括って本気になって、また上昇してきた。そうやって成長していける力こそ、私が信じてやまない彼の“可能性”そのものなんだと思います。近頃は、オーディションに出せば主人公を勝ち取ってくることも多くなりましたし、想像以上のスピードで成長していて驚いています。彼の努力と、今のチームの雰囲気の良さが全部プラスに働いていて、『これからが本当に楽しみしかないよね』とよくチームで話しています。マネージャーとして大変なことも多い中、楽しみしかないってすごいことだと自分でも思います(笑)。この先の大きな目標という意味では、声優業への情熱は守りながら、元来やりたかった“歌”という道も含めて、より広い可能性に向かって一緒に走っていきたいです」
石橋「今は声優としての活動の比重が大きいですが、ボイトレも欠かさず続けているし、歌に対する向上心をこれからも忘れずにいたいです。たくさんの方から『歌が上手だね』って言っていただけますけど、それで成長を止めてしまったら天狗になってるのと結果は変わらないですから。お芝居も歌もずっと向上心を燃やしたまま、いつかそのふたつを両立できるような人になれたらいいなって思います」
この先、石橋はどんな景色を見せてくれるのだろう——佐々木がそれを楽しみにするのと同じ期待を、きっと彼を応援する多くの人たちもまた感じていることだろう。たくさんの期待を一身に、楽しげに受け止めながら、石橋陽彩の成長はこれからも続く。
(写真左)
石橋 陽彩
(写真右)
株式会社エイベックス・アニメーションレーベルズ
マネジメント&プロデュースグループ第2マネジメントユニット
ユニットリーダー
佐々木 真理英
第2マネジメントユニットメンバー(相澤・坂本・荒井・矢島)
【TVアニメ『鎧真伝サムライトルーパー』作品情報】
帰ってこい、ヒーロー!
敵は神の使い、サムライトルーパーは新たな戦いへ
TVアニメ『鎧真伝サムライトルーパー』第2クール
2026年7月7日(火)より放送・配信開始!
■STAFF
原作:矢立 肇
監督:藤田陽一
シリーズ構成・脚本:武藤将吾
メインキャラクターデザイン:室田雄平
ヴィランキャラクターデザイン:ことぶきつかさ
ヨロイギアデザイン原案:岡本英郎
音楽:片山修志(Team-MAX)
アニメーション制作:サンライズ
製作:「鎧真伝サムライトルーパー」製作委員会
■CAST
凱:石橋陽彩
上杉魁人:榎木淳弥
北条武蔵:村瀬 歩
北条大和:武内駿輔
石田紫音:熊谷健太郎
ほか
■第2クールMUSIC
OP:「BAD遺伝子」 Dannie May
ED:「ばけもん」 カラノア
第2クール本PV(OP:「BAD遺伝子」 Dannie May)
第2クール本PV第2弾(ED:「ばけもん」 カラノア)
第1クール本PV(OP:「YOAKE」 blank paper)
第1クール本PV第2弾(ED:「POWER」ONE OR EIGHT)
公式サイト:https://www.samurai-trooper.net/
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