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世界的なヨガブームが巻き起こる中、マインドフルネスという概念が年々価値を高めている。

マインドフルネスは欧米を中心に注目を集めており、さまざまな解釈を持つ言葉だが、基本的には、“今この瞬間”を大切にする生き方であり、日常にヨガやメディテーションを取り入れ、集中力のアップや創造性を高めるなど、心身の健康をはかることをいう。ストレス軽減や集中力向上などの効果を発揮するとして、トップアスリートやセレブリティがこぞって実践。企業の社員教育や医療や福祉の現場でも積極的に取り入れられている。

エイベックスでは、そんなマインドフルネスという概念にいち早く着目し、マインドフルネスやオーガニックを融合した新しいエンタテインメントWANDERLUSTを2018年に日本初開催。WANDERLUSTとは、全米で5万人以上を動員し、カナダやオーストラリア、ニュージーランド等世界17カ国60都市で実施されてきた5キロのラン、90分のヨガ、メディテーション(瞑想)の3つのアクティビティを自然の中で体験するというイベントだ。

昨年は当イベントの制作・プロデュースを手がけるエイベックス・エンタテインメント株式会社の坂本茂義、櫻又三紀子、生島直樹にインタビューを行ったが、開催2年目となる今年は、イベントの大きなテーマであるマインドフルネスという概念そのものに着目する。マインドフルネスとはいったいどんなものなのか。「美しく魅せる」をテーマに、オリジナルのクラスを月200レッスンこなし、主催スタジオは1年半待ちのカリスマヨガクリエイターであり、昨年に引き続きWANDERLUSTでヨガの講師も務めるayaに話を聞いた。

ヨガとの出会いで得た自信。
ayaが実践する
「マインドフルネスな日常」
について

「マインドフルネスは、日本ではまだあまり浸透していませんが、私がアメリカでヨガを始めた十数年前には、すでにアメリカでは当たり前のように存在していた概念です」

ayaがヨガに出会ったのは、アメリカ留学時に事故にあったことがきっかけだ。事故後、ムチ打ちの状態となり、学校の先生にヨガを勧められたのだという。

「当時は英語もよくわからなかったのに、瞑想のクラスを受講してしまったんです。10代だった私には、なにひとつ楽しいとは思えませんでした(笑)」

また、当時、日本ではまだ、マインドフルネスどころか、ヨガ自体が現在ほど主流になっていなかった時代だ。

「アメリカ暮らしで体重が増加し、何とかしなければ、ヨガだったら私にもできるかな程度の軽い気持ちでした。始めた当初はそれほど真剣ではなかったんです(笑)。ただ、その頃から、マインドフルネスという言葉はレッスン中よく耳にしました」

「楽しいとは思えなかった」が、ayaはヨガを継続。趣味としてヨガを続けていくなかで、ayaの体は変化をしはじめていく。

「最初はポーズが取れたことがうれしくて。体重も落ちました。結果が返ってくるのは、自信にもつながります。ライフスタイルも変化し、だんだんとヨガに夢中になり、ヨガについて真剣に考えるようになりました」

3年連続で、1年に3ヵ月ほど南インドのヨガの聖地に滞在するなど、さまざまな角度からヨガを学んだ。ヨガクリエイターを志したのは、友人から言われた、「それだけヨガが好きでヨガにお金をつぎこんでいるなら、そろそろ使ったお金を取り戻したら?」という言葉が大きなきっかけになったという。

伝統的なヨガにストレッチやバレエのテクニックも取り入れ、呼吸を深めていく──。師匠を持たないayaには、自分が学び、実践し、習得した独自のヨガメソッドがある。

「食事の指導はほとんどしません。女子はあまのじゃくですから、食べるなと言われれば余計食べたくなります。自分で変わっていくことが大事ですし、体が変化すれば自分も変わります。食べることにも、マインドフルネスが深く影響しています。ご存知ですか? 食べる瞑想もあるんですよ」

ここで改めてayaに尋ねた。マインドフルネスとはいったいなんなのか。aya自身はどう捉え、どう向き合っているのだろうか。

「言葉は聞いたことがあるけれど、どの状態がマインドフルネスかわからないという質問はよく受けます。マインドフルネスというのは、“今、その瞬間を生きる”ということ、“その瞬間瞬間に集中すること”です。例えば、私は今日ここに上がってくる時に乗ったエレベーターで一緒になった人の人数、どんな人が乗っていてどの人が何を持っていたかすべて覚えています。午後の打ち合わせは何時からだっけなあと考えながらエレベーターに乗っていたら、周囲には目が向きませんよね。会議中でも資料ばかり見ている人がいると思いますが、マインドフルネスな状態というのは、ちゃんと相手の目を見て話を聞き、疑問に思ったことは質問するなどして、“会議に参加している”ことをいいます。食べるという行為も同じです。食べることに集中していれば、いつもの定食屋の、いつも食べている定食でも今日は味が濃いとか、ご飯がやわらかいといったことに気づくはずです。集中すれば、それだけ多くのことに気づきますし、その気づきは仕事にも生きてきます」

“今現在”に集中すれば、コミュニケーション能力も上がり、仕事の効率、成果の向上が期待できる。だからこそ、多くの企業がマインドフルネスの概念を取り入れているのだと、ayaは強調する。

マインドフルネスを
引き出す5つの方法
続けることで見えてくる景色

ayaによれば、マインドフルネスを引き出すには、5つの方法があるという。

「1つ目は呼吸ですね。吸って吐く呼吸に意識を向けましょう。2つめは意識です。例えば、目を閉じて自分の体に集中し、手の指先から足先まで一つ一つを感じていく。そうすると自分自身に意識が向きますよね。意識のなかで自分を感じることが大切なんです。3つ目は、歩く瞑想です。体を動かしている自分を意識し、たとえば自分がどんな風に歩いているか、自分が動くことで身体的に自分を感じてみてください。4つ目がさきほども少しお話した、食べる瞑想です。味覚を発達させましょう。5つ目は、慈悲の瞑想。自分以外のことに対することを考える、人の幸せを願う瞑想です」

5つのうちひとつでもいい、まずは8週間続けてみるといいという。

「マインドフルネスというのは、8週間で効果が出てくるといわれています。毎日は難しいなという方とおっしゃる方も多いのですが、本当になんでもいいんですよ。人によってできることは違います。ご飯を食べるときだけは集中する、朝だけでもエレベーターで一緒になった人の人数を数えてみる、喫煙所で上司の靴下を毎日チェックする──。大切なのは意識を外に向け、いつもと違う刺激や変化を自分に与えることです」

呼吸ひとつをとっても、最初は集中できないかもしれないが、続けることが何より大事だとayaはいう。マインドフルネスの境地に至るには、自分を客観視し、外に意識を向けることが必要なのだ。

「大事なのは、物事に流されるのではなく、自分でやっているという意識を持つことです。体が硬いからヨガはできないという人も、できなくてもできないなりに続ければ変化は必ず現れます」

7月に発売となった2冊目の著作『一気にくびれる aya yoga背中革命』(主婦の友社)は、そんな人に向けて書いた本だ。誰もがわかりやすく、かつ簡単に取り組め、結果がでるエクササイズが紹介されている。

「本当にびっくりするくらい簡単なので、この本にあるエクササイズを取り入れるところから、体への意識を変えていくのもいいと思います」

WANDERLUSTで体感する
マインドフルネス
非日常の空間で
新たに自分と向き合う

ここで再び、「WANDERLUST(ワンダーラスト)」と、マインドフルネスの関連性、またこのイベントのコンセプトについてayaに尋ねた。

「WANDERLUSTは野外で行うイベントです。自分を達観するにあたって、開放感のある屋外というシチュエーションはぴったり! 自然の距離感を感じることで、なぜ自分がそこにいるかを考えることができます。アウトドアで、体をしっかり動かし、体力をつけるというのも理に適っています。自分を見つめ直し、よりよい生き方を築くいい機会になると思います」

さらに、こう続ける。

「そして何よりWANDERLUSTは楽しむことが大前提。ヨガも、ダンスっぽい動きがあって盛り上がりますよ。初心者の方も挑戦しやすいと思います。昨年、ランとヨガとメディテーション、すべてに参加しなければならないのかという質問を多くいただいたのですが、ぜんぶ参加してもいいし、好きなものだけ出てもいいんです。ランにしても、時間は余裕をもって設定してあるので、おしゃべりしながら歩いている人もいました。すべてが自由です。その瞬間瞬間で、自分が感じた感動をくいとめないようにしてください」

ランではタイム計測は行わない。ヨガは、自然や街並みの中で、DJの音楽とともにダンス的要素を加えたものを提案。メディテーションでは、瞑想によって深いリラックス状態になり、心を整えていく。この3つのプログラムを通して、心身ともにリフレッシュをはかる。

「WANDERLUSTの目的は、非日常を楽しむこと。室内のヨガ教室では味わえない、1,000人という規模でなければ作れない空気感や、今そこにしかないライヴ、音楽があります。日本で、マインドフルネスに特化したイベントが行われることはまだあまりありません。自分という存在に向き合い、人との協調性を考えることができる貴重なイベントです。隣の人と肩を組んだり、コミュニケーションをするセッションがあったり、ハグしたりと、日本にいながら海外の雰囲気が味わえます。見るだけでも刺激になりますよ。オープンマインドで参加していただいたらきっと楽しいと思います」

軽やかに、楽しそうに語るayaの言葉に耳を傾けていると、ヨガも瞑想も、そしてマインドフルネスも、身構えたり、難しく考えることではないのかもしれないと思えてくる。自分が続けられそうな事柄から、また、WANDERLUSTを通して楽しみながら、自分の人生にマインドフルネスを取り入れる──、それはきっと「毎朝、歯を磨く」程度の難しさなのだろう。

WANDERLUST 108は2019/9/22(土)に福岡、10/5(土)に大阪、10/19(土)・10/20(日)に東京での開催を控えている。エイベックスは、これまでエンタテインメント事業で培ったノウハウを活かし、WANDERLUSTという唯一無二の体験価値を通じて、日本にマインドフルネスという概念を浸透させていく考えだ。

ヨガクリエイター aya

Syaraaya代官山主宰。
留学先のアメリカでヨガに出会い、
自身の20kg以上の大減量に成功。
様々なヨガを学んだのち、指導者に。
月200以上のオリジナルレッスンをこなし、
レッスンには有名女優やモデルが数多く通い、
予約の取れない人気ヨガ講師として話題。

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