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Z世代社員と考える『デジタルコミュニケーション』新時代のエンタテインメントをつくる Z世代社員と考える『デジタルコミュニケーション』新時代のエンタテインメントをつくる

ハイライト

ONOFF

AI、NFT、Io-Tなど「Web3.0」領域で著しい進歩がみられる昨今、デジタル上でのコミュニケーションは、私たちの予測を小気味よく裏切りながら日々変化している。今回集まったエイベックスに入社3年目以内の4名は、社内での交流はもちろん、SNSを主体としたコミュニケーションを得意とするデジタルネイティブ世代だ。エイベックスのZ世代社員は、それらをエンタテインメント市場でどのように捉え、未来への可能性として見出しているのか。今回は、エイベックス・クリエイター・エージェンシー(以下、ACA)で人気インフルエンサーを幅広くサポートする井岡麻喜寿と、エイベックス・エンタテインメント株式会社(以下、AEI)でソーシャル営業ユニットの配信営業を担当している鎭目悠太、同ユニット内でTikTokを担当している安野菜々子と、エイベックス・ピクチャーズ株式会社(以下、API)で映像コンテンツの宣伝全般を担当する酒本かおりの4名に話を聞いた。

Z世代社員と考える『デジタルコミュニケーション』新時代のエンタテインメントをつくる

(左から)鎭目 悠太、井岡 麻喜寿、安野 菜々子、酒本 かおり

ボーダーレスな部署で業務を最適化
エイベックスでは
自分の得意なジャンルが仕事になる

Z世代社員と考える『デジタルコミュニケーション』新時代のエンタテインメントをつくる

まずは、デジタル上でのコミュニケーションが主流となり対面での面接も難しい状況で入社した彼らが、入社前にエイベックスに抱いていたイメージ、そして実際に入社し、イメージがどのように変化したのかを尋ねてみた。

井岡「僕は現在、ACAで、YouTuberやTikTokerなど、avex fav(YouTuber等のクリエイター向け総合型エージェンシー:https://avex-fav.jp/)に所属するクリエイターのマネジメントを担当しています。入社前に、新規事業を担当している1年目の方を紹介してもらい、エンタテインメントの根源を多角的に捉えて、新たなジャンルとして世界に提案する仕事の姿勢に魅力を感じました。それまでエイベックスはレコード会社というイメージが強かったのですが、エンタテインメントに関わるさまざまな業務ができることに興味を持ち、実際に入社してからも大きなギャップは感じていません。avex favには立ち上げから関わっていて、YouTuberやTikTokerなどのマネジメントや事業の推進など、幅広い業務を担当しています」

鎭目「僕はAEIのデジタルマーケティンググループ 配信 / ソーシャル営業ユニットに所属しており、LINE MUSICをはじめ、Amazon Musicなど、ストリーミング中心に担当しています。入社前はエイベックスに派手な方が多いイメージを抱いていたのですが、実際に入社すると内側に強い信念を持っている方が多く、いい意味でギャップを感じました。エンタメへ真摯に向き合う先輩方の姿勢に、憧れを抱きましたね」

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安野「入社して一番驚いたのは、エイベックスは部署にとらわれずに仕事をしているということです。私はAEIのデジタルマーケティンググループデジタルマーケティンググループ 配信/ソーシャル営業ユニットで、TikTokのマーケティングを担当しています。社内にはさまざまなジャンルの博識者、いわゆるオタクの方がいて、本来の業務以外にも自分の得意とするジャンルが仕事に繋がる環境があります。部署の垣根を超えて、それぞれの強みや横の広がりを活かした仕事ができます」

酒本「私は入社前、自社でオリジナルアニメを多く展開するなど、エイベックスに『アニメ』のイメージを強く持っていました。その背景もあって、現在ではAPIの映像事業本部プロモーショングループ第2宣伝ユニットで、アニメや実写舞台の宣伝をしており、『Paradox Live』や、30名の声優によるアルバム『Re:collection』などの宣伝アシスタントとしてアサインされています」

Z世代ならではのインターネットリテラシー
工夫が凝らされた
オンライン上でのコミュニケーション

Z世代社員と考える『デジタルコミュニケーション』新時代のエンタテインメントをつくる

入社後から早速、オンラインでの業務となった4名。上司や先輩、同期とのコミュニケーションを取る上で、どのようなことを意識したのだろうか。

井岡「2020年入社の僕は、いわゆる“コロナ禍入社”組です。当然ながら社内の飲み会などはなく、他の部署の先輩と会う機会もほとんどありませんでした。しかし、新規事業の立ち上げに参加していた僕にとって、人の繋がりは何よりも重要な部分。コミュニケーションが希薄になってしまうことを避けるべく、オンラインミーティングで自分の人となりがわかってもらえるように工夫したり、人事や同期に『○○さんを紹介してほしい』とお願いしたりするなど、とにかく前向きにアクションを起こしました」

鎭目「僕の場合、大学生活の最後はリアルとオンラインのハイブリット授業だったので、オンライン上のコミュニケーションについては浸透していました。今後、ほぼすべての業務はきっとオンラインベースのスタイルになっていくと思いますし、そのほうがスムーズだと感じています。一方で、オンラインでのコミュニケーションは温度感が伝わりにくいので、入社後すぐに行われたオンライン会議では、特技のラップを披露するなど、リモートでも良い雰囲気で進行できるように工夫していました」

コミュニケーションの方法は変化したが、主軸は変わらない。それぞれが確固たる意思を持ち、工夫を取り入れてオンラインのミーティングに参加していた。そして、そのスタンスにも個性が見え隠れすると同時に、インターネットリテラシーの高さも窺える。

酒本「オンラインで行われた、ユニットでの最初の顔合わせでは、発言するタイミングがわからずとても不安を感じました。また、自分の存在に気付いてもらえないのではないかという危惧もあり、毎週金曜日の18時に、<さかもとつうしん>というメールを配信することにしたんです。ほかのユニットでいうところの週報のようなもので、1週間で行った業務や自分の好きなこと、何を考えているかなどを綴りました。巷では、『オタクブログ』と言われていたようです(笑)」

安野「私も同様の不安を感じていたため、ミーティングの前に上司や先輩がどんな方なのか、FacebookやSlackで事前に情報収集していました」

昨今、SNSは、社会的なステータスを動かす力を有するようになったが、そのルールに明確な定義はなく、ネットリテラシーは人によって異なる。デジタルネイティブで、物心ついた頃からSNSを通してのコミュニケーションを行っていた彼らは、どんなツールでコミュニケーションを取っているのだろうか。社内・社外の人間とコミュニケーションを取る上で、留意していることについても尋ねた。

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安野「コミュニケーションツールでいえば、同期の一部とは、位置情報共有アプリのzenlyというアプリケーションで繋がっています。参加は強制ではなく、もちろん自由。『今、お台場のテレビ局にいるんだ』など、位置を共有することで生まれる新たなコミュニケーションもあり、楽しみながら利用しています」

井岡「僕が仕事で使うのは、LINE、Slack、メールです。基本的にはLINEが中心ですが、先輩や他部署の方など、急にLINEを送るのが不自然な場合や、金額や時間などエビデンスを残したい場合はメールをするなど、シーンによって使い分けています。情報収集に関しても、ユーザーの反応などリアルタイムで知りたい時はTwitter、美味しいご飯屋さんを探す時はTikTokを使うなど、複数のSNSを使い分けるようにしています」

SNSは日々、私たちの生活に関与している。とくに広義でのエンタテインメントを生業にしているエイベックスの社員にとって、SNSは決して無視できない存在だ。最近では、NFTやブロックチェーン、メタバースといったキーワードも定着し、今やトレンドにもなりつつある新たなテクノロジーの領域に、彼らはどう向き合おうとしているのだろうか。

酒本「そうですね。存在するSNSはすべて使うくらいの勢いで捉えています。先日、『Paradox Live』が3周年を迎えた際には、Twitterで『OWNLY』というSNSキャンペーンツールを使い、キャラクターからDМが来るなどといったイベントを企画しました」

井岡「『今のインフルエンサーはTikTokをやらないと伸びない』とも言われていますし、担当しているインフルエンサーには、とにかくすべてのSNSを登録してもらっています。女性の利用者が多いInstagramには共感を得やすい投稿や映える画像を投稿し、YouTubeでは投稿者の人間性に寄せた内容を意識することでファンの獲得を狙います。拡散させたいならTikTok、共感してもらうような投稿はTwitterなど、SNSの個性によって使い分けることが重要です」

Z世代社員と考える『デジタルコミュニケーション』新時代のエンタテインメントをつくる

酒本「APIは今からデジタルの方面を強化していくというフェーズにあります。デジタルマーケティングユニットが新設され、TikTokのアカウントもできました。APIのYouTubeチャンネルの登録者は現在35万人強。例えば『パリピ孔明』など、ある一つの作品が好きでフォローする…という方が多いチャンネルですが、いかに他の作品も見てもらうように誘導するか、“APIのYouTube”そのものに興味をもって頂くか。このYouTubeチャンネルを存分に生かせるように、しっかり分析していく必要があるんだなと感じます」

井岡「その他にも、社内で行われる勉強会に参加し、Web3.0領域について包括的に学んでいます。アートの領域では、すでにNFTの動きも盛んで、『MEET YOUR ART』というアート専門のYouTubeチャンネルを運営するなど、ACAでも高い関心を持って取り組んでいる分野です」

ネット環境を取り巻く変化に適応
多様性から生まれたそれぞれの強み

Z世代社員と考える『デジタルコミュニケーション』新時代のエンタテインメントをつくる

「分散型インターネット」と呼ばれるWeb3.0がエンタテインメント業界にもたらす影響は計り知れない。一口にWeb3.0といっても、NFT、ブロックチェーンなど、それぞれ異なるかたちで広がりを見せており、中でも音楽サブスクリプション市場は急激に変化を遂げた。彼らはZ世代を代表するエイベックスの社員として、今後どのように音楽市場と向き合っていくのか。

井岡「エイベックスはエンタテインメントに関わるプロの集団。きちんと情報をキャッチできれば、エイベックスの強みであるフットワークの軽さや、これまで培ったノウハウを生かし、アーティストやクリエイターを更にサポートすることができます。エイベックスブランドは、それだけ価値のあるものだと考えています」

鎭目「どのような戦略で音楽的なトレンドの軸と組み合わせていくのかを考える時代が来ていると思います。TikTokを見ているとわかりやすいですが、これからはBGMになりうるようなシチュエーション型の音楽が強い時代になってきている。トレンドはもちろん、急速に移り変わるニーズの変化を意識することが重要です」

酒本「音楽の消費スピードも年々、早くなっています。例えばアイドルを推すために買ったCDを聴く音楽と、純粋に好きな楽曲を聴くための音楽とでは、求められる内容が変わってくる。『音楽を聴く』という行為そのものが多様化しているので、これから更に、それぞれの音楽の聴き方に合わせたコンテンツ作りが必要な時代になっていくと考えています」

これからは同じチャートに別々の価値観の音楽が入り交える時代になる。著しい勢いでインターネットが普及しはじめた1990年代末に生まれ、21世紀という時代に育った彼らはネット環境を取り巻く変化に適切に対応している。その柔軟性は、Z世代と呼ばれる彼らに共通するストロングポイントと言えるだろう。

井岡「僕たちはSNSと共に育ち、SNSとは切り離せない世代。仕事でもプライベートでもYouTubeやTikTokは四六時中チェックしています。まさに松浦会長のお言葉にもある“仕事が遊びで遊びが仕事”という考え方。生活の一部としてSNSを常に摂取しているのと、仕事の視点で見ているのとでは、絶対的な差があると思っています。YouTubeの『切り抜き』も日々視聴していたユーザーだからこそ生まれた発想なのではないかと思います」

安野「Z世代とひとくくりにされることが多いですが、それぞれがまったく違う人間で、個性もバラバラ。一方で、SNSと一緒に育った私たちは自分の好きなものをリサーチする方法を、各々が無意識的に身に付けています。それは何かを発掘する能力にも繋がっていると感じています。それぞれが才能を発掘する手段を自然に持ちあわせており、それが私たちの強みに繋がっている。だからこそ、デジタル領域をうまく駆使して、可能性を広げていく必要性があると考えています」

異なる個性と共通する強みを持ったZ世代の新風。デジタルという日々変化していく存在に恐れるどころか、半ば楽しげに対峙している。激動の時代に10代という多感な時期を過ごし、このコロナ禍にエンタテインメントを生業にすることを決めた彼らは、今後エイベックスでどんなクリエイションを創出していくのか。ここから彼らとエイベックスの強みが結び合わさり、新時代のエンタテインメントがスタートしていくだろう。

Z世代社員と考える『デジタルコミュニケーション』新時代のエンタテインメントをつくる

(写真左から)
エイベックス・エンタテインメント株式会社
デジタルマーケティンググループ
配信/ソーシャル営業ユニット
安野 菜々子

エイベックス・ピクチャーズ株式会社
映像事業本部プロモーショングループ
第二宣伝ユニット
酒本 かおり

エイベックス・クリエイター・エージェンシー株式会社
avex fav
井岡 麻喜寿

エイベックス・エンタテインメント株式会社
デジタルマーケティンググループ
配信 / ソーシャル営業ユニット
鎭目 悠太

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